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2019/10/31

「水木しげる 魂の漫画展」宇都宮美術館

9月下旬のことですが、宇都宮美術館で「水木しげる 魂の漫画展」を見てきました。いつかは訪れたいと思いながら何年経過したことやら。いろいろな思惑が合致して(?)宇都宮までドライブ。3連休の中日だったせいか道もそこまで混んでなくて、2時間ちょっとで到着したのはラッキーだったのかな。

構成は以下の通り。
第1章: 武良茂アートギャラリー〜少年天才画家あらわる!〜
第2章: 水木しげる漫画研究〜片腕で生み出す独自の画法〜
第3章: 水木しげる人気三代漫画〜鬼太郎/悪魔くん/河童の三平〜
第4章: 総員玉砕せよ!〜壮絶な戦争体験記〜
第5章: 溢れる好奇心人物伝
第6章: 短編に宿る時代へのまなざし
第7章: 妖怪世界にようこそ
第8章: 人生の達人 水木しげる

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休日で会期終了前日ということで、家族づれで賑わっていました。会場内のあちこちに水木さんの人生を紹介する講談VTRが流れていまして、それがとてもわかりやすくてよかったです。少年時代から絵のうまさから神童とよばれていたそうで、その頃に描いたものまで見られたのは感激。確かに早熟といいますか、とても成熟した絵を描く少年だったのだな、と。

なかなか売れなかった頃に描いたというバレエ漫画にも驚きました。あの頃のバレエ漫画のタッチ!って感じで、研究熱心だったのだなあ、と。出征時のエピソードに加えて現地で描いた絵も展示してあるのもすごい。ちゃんとご本人が日本に持ち帰ったってことですものね。奥様も制作につきあわせたという連合艦隊の模型があったり、展示は原稿などに止まらず、水木さんの資料として完璧なのでは。これだけきちんと保管されていたことに敬意を評します。なんでも断捨離すればいいってものでもないんだよねー(でも断捨離したほうがいいものも、もちろんありますとも!)。

展示してある漫画の続きが気になりすぎるのは困りました。絵に臨場感がありすぎて、たった1ページなのに引き込まれてしまうのです。雀さんに「これ、この続きが見たいー」と訴えたところ「うちにあるよー」と言ってました。いつか読ませてけろ。

そんな感じで、いちいち足を止めてじっくり見るので、ゆったりした宇都宮で見られたのはよかったのでは。そごう美術館の展示室だとけっこう大変だったかも。。最後の方の、境港妖怪ロードにある妖怪たちのレプリカや水木さんの掛け軸などもよかったです。おもしろかった。宇都宮が最終巡回地だったそうなので、間に合ってよかったです。


初めての美術館にいく時のお楽しみ、コレクション展も面白かったです。「僕らが消えても、世界はつづく?」というタイトルで5つのセクションに分かれていました。

いく前の印象はマグリットと現代美術!というものでしたが、それは合ってた(笑)。さらっとマグリット「大家族」がいて、身近にこれが見られる宇都宮の人が羨ましいなーと思いましたです。加えてロシアン・アバンギャルドも。あと、これは足を運ばなければわからなかったことだと思うのですが、鑑賞者との対話を、とてもとても大切にしている美術館だな、とも。ワークショップ「時のたび 準備室」の特別展示を見たゆえですけどね。1万年後の美術館について考える、というのが面白い。

印象に残っているのは今村源のオブジェ。1997年にこの美術館で開催された「森ニイマス」点に出品されたインスタレーションの一部を収蔵したのだそう。なるほど、この展示室の一部かと思うような存在感で、展示室の入り口を入ると、奥にあるのが気になって仕方ないのです。そして照明が落とす影が、なんとも能弁。「シダ」だったかなーと思うのですが、ふらふらと近づいていったときにハっとしました。それは思いもよらぬ場所に淡く落ちていたオブジェの影。なんかもう、この瞬間にこの美術館のことが大好きになってしまったのでした。

やなぎみわの《夜半の寝覚め》もよかったし、セルゲイ・ヴァシリエヴィッチ・チェコーニンのキュビズム風デザインの皿「金槌と鎌」もひょーってなった(何でしょうw)。


美術館はうつのみや文化の森公園の中にあって、駐車場にはどんぐりがわんさか落ちていました。セミしぐれをがんがん浴びながら丘を登っていくと広大な芝生スペースがあって家族連れが遊んでいたり。見たことないほど大量のトンボも舞っていて、ちょっとテンション上がってしまいました。

建物は景観に配慮してかワンフロアに収まっていたけれど、天井も高いし、大きな窓だったり壁の下半分に設えられた窓から、公園の豊かな緑が見えるのが最高でした。カフェで昼食をいただいた時にも、木漏れ日がさす森の景観がご馳走に。訪れた日はお天気がよかったので、なおさら緑も鮮やかに見えたのでしょう。予想以上によい美術館で、お気に入りになりました。

設計は岡田新一。最高裁判所や警視庁本部、病院や教育機関など多数作品があるなかで、美術館関係だと岡山美術館、北海道立三岸好太郎美術館、宮崎県立美術館を手がけているようです。あと、私が行ったことあるところだと函館山ロープウェイ展望台とか。

2019年7月28日-9月23日 宇都宮美術館「水木しげる 魂の漫画展」

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