FC2ブログ
2019/10/30

日本・フィンランド外交関係樹立100周年記念「モダン・ウーマン―フィンランド美術を彩った女性芸術家たち」国立西洋美術館

すぐ書くつもりの感想が後へ後へと…。

西洋美術館の新館を使っての企画展示は、常設料金でこれ見せていただいてよいのですか?という素晴らしいものが多いです。これもその1つ。松方コレクションと同じくらい期待していきました。小規模ですが、フィンランドとの外交関係樹立100周年を記念した、7人のフィンランド女性芸術家を紹介する展示です。今回もよい出会いがありました。

章立ては特になく、前半の第7室から第9室が大まかに作家別、版画素描展示室は、それらを中心に親密な作品を、という感じだったと思います(展示順は既にうろ覚え)。

2019081301.jpg

性別に関わらずフィンランドの画家は馴染みが薄く、日本での個展が話題になったシャルフベックくらいしか知らなかった私。メインイメージに使われているシャルフベックを見て、最近やったばかりだよねーと思ったけれど、日本で彼女の個展が開催されたのは2015-16年のことでした。え、、そんな経ってる??(なかなか衝撃)
2年前に同じ場所で見たスケーエン展でも感じた、澄んだ光を今回の作品たちからも感じることができました。こればかりは現地に行ってみないと本当のところはわからない…とは思うのだけど。

図録を読んで知ったのですが、2017年のフィンランド独立100周年を記念してフィンランド国立アテネウム美術館が企画した国際巡回展をベースに、日本独自に構成しなおしたものだったのだそうです。元々はシャルフベック、テスレフ、ショーマン、セーセマンの4人の1907年以降の作品から成っていたものを、作家と時代を広げてよりフィンランド美術の流れがわかる形にしてあるとのこと。

印象派の時代に活躍したマリア・ヴィークの絵があることで、松方コレクション展、あるいは常設の前時代の絵たちから、すーっと入れる気がしました。マリア・ヴィーク、とても好み。上に書いた通り光が澄んでいて、フランスの画家たちとは受ける印象が違います。

そしてシャルフベック、初期の写実的なものから後の抽象的なものまで、回顧展があったからこそ少ない点数でも透けて見えるものがあり。私が彼女の絵に一目惚れしたのはTumblrで見かけた「シルクの靴」からなのですが、今回は版画素描展示室にそのリトグラフがありました。他にも何点か、もとになった絵画の写真と共に。初期の絵の再解釈ということで、単純化された描写がどこかユニーク。驚くべきことに、彼女がリトグラフの技法を身につけたのは75歳になってからだったとか。私がぼんやり絵を見ていると、雀さんが「これ、みんな(オリジナルとは)左右反転してるよね?」と指摘。わ!ほんとだ!全部!雀さんの指摘にも自分のぼんやり加減にもびっくりしました(笑)

エレン・テスレフの、あまり色を使わない風景画や自画像も好きでした。1916年の自画像なんて、この発展形がオピーなのでは、と思えたり。版画も独特な感じで面白かったな。シーグリッド・ショーマン、エルガ・セーセマン、そして彫刻家の二人も力強い作品が並んでいて、これが”モダン・ウーマン”たる所以かな、と。見る前は、女性で区切った展示って逆にどうなのかなと思うところもあったのですが、彼女たちの足跡はそれに値するのだろう、と納得できました。

いつか行きたいなあ、アテネウム美術館。

2019年6月18日-9月23日 国立西洋美術館 新館展示室
日本・フィンランド外交関係樹立100周年記念「モダン・ウーマン―フィンランド美術を彩った女性芸術家たち」


常設についても少しだけ。今回は本館展示室がかなり重厚だった印象。普段新館2階や11室にある絵が大挙して「松方コレクション展」の方に出ているので、11室で何が見られるかとワクワクして足を踏み入れました。ファンタン=ラトゥール「聖アントニウスの誘惑」は久しぶりに出ているのでは?嬉しかったなー見られて。

そうそう、ファンタン=ラトゥールといえば、リニューアルオープンに近いアーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)は休館中もあれこれ作品を買い足していて、そのラインナップにどよめきが聞こえるほどなのですが、ランタン=ラトゥールの美しい静物画も加わったようですね(来年のカレンダーに登場していて知った)。きゃー、これはリニューアルオープンがますます楽しみになりました。

コメント

非公開コメント