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2019/06/02

「印象派、記憶への旅」ポーラ美術館

感想書くのすっかり忘れてました…。先月、ポーラ美術館で開催中の、ひろしま美術館との共同企画「印象派、記憶への旅」を見てきました。印象派コレクションが充実している2館の共同企画。ポーラ美術館は数年前にも国立西洋美術館と共同企画をやっていましたが、それぞれのコレクションの特色も見せつつ新たな発見もあるのですよね。日本で他に印象派が充実しているところというと、現在休館中のブリヂストン美術館(新装開館の折にはアーティゾン美術館と名称変更予定)、山形美術館、大原美術館あたりですが、またそういった館とのコラボ展も見てみたいものです。

構成は以下の通り。
第1章: 世界のひろがり - 好奇心とノスタルジー
第2章: 都市への視線 - パノラマとポートレート
第3章: 風景のなかのかたち - 空間と反映
第4章: 風景をみたす光 - 色彩と詩情
第5章: 記憶への旅 - ゴッホ、セザンヌ、マティス

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光に満ちたアトリウムのエスカレーターを降りて展示室に入ると、まず待っていたのは両館が所蔵するコロー。どちらも結構久しぶりに見たかもしれない。とても好きな絵が並んでいるのを見て、一気に期待が高まりました。ほぼ同時期に同じテーマで描かれたクールベをはじめ、両館のコレクションは意外なほどに共通性があるのには驚きました。にもかかわらず、それぞれのコレクションには個性があるので、この絵はどっちの所蔵作品か、なんて脳内クイズも楽しめますよ。

現地で何度も見ているひろしま美術館のコレクションも、ポーラ美術館の壁と照明でまた違った印象に。これは絵画鑑賞の面白いところですよね。今まで見えなかったところが、急に浮かび上がって来たりする。

誰の絵だったか、描かれたノートルダム寺院の尖塔に胸が痛くなったり、モネの《国会議事堂、バラ色のシンフォニー》でバラ色の空にシルエットが浮かぶ国会議事堂を見て、これなら現在修繕中の国会議事堂もビッグベンもあまり違いがわからないだろうなーと思ったり。100年前に描かれた風景が現在と地続きなのがヨーロッパならではで、土地の空気感も伝わります。

後半、ポーラ美術館のゴッホ《草むら》の額が外されて、裏書きも見えるように展示してあったのはとても興味深かったです。まず見る機会のない部分ですから、じっくり眺めてしまいました。ひろしま美術館のマティスも、即興的に絵を描くと評されていたマティスが「これだけ試行錯誤して時間かけとんねん!」と展示したものを参照していて、こんなに色々試していたのかと。

前半の印象派も見応えがあるのですが、この2館ならではだと思うのはピカソやマティスの充実でした。しかも良い作品ばかり。特にピカソの子供を描いた両館の作品が並ぶのはハイライトと言ってもいいくらい。ピカソの良さがよくわかる展示でした。マティスもいい作品が多いんだよねえ。

唯一残念だったのはひろしま美術館のゴッホ《ドービニーの庭》が来ていなかったことだけど、あれはひろしま美術館の目玉だから仕方ないね…。

あと、タイトルも作家も出品リストやサイトに名前がないのですが、日本人作家の方がポーラ美術館の所蔵作品と箱根をテーマにした大作が展示されていました。箱根の大パノラマに結構細かく作品がたくさん描きこまれていて楽しい。せめてサイトには案内があればいいのになあ。


コレクション展もいつも通り大充実。久しぶりにドガのパステル画を見ましたが、やっぱりいいもの持ってるなあと。今回初めて見た藤田嗣治のドア飾りのための連作がよかった。新収蔵のプレートがなかったけど、前回あたりがお披露目だったのでしょうか。前回の展示は見られなかったから…。そうそう、最後の部屋に新収蔵というイタリア人画家の作品が2つ。これも結構面白かった。メモもとってないしサイトにこの作品についての記載がないしで名前が全く思い出せないのですけど…。

ポーラ美術館はコレクション展の展示リストは置いていないのだけど(企画展も以前はなかったけどおいてくれるようになって、これは本当に助かっています)サイトの展示中の作品案内が充実して来ているから、いずれこの作品も解説が上がるといいな。

しばらく続いていた”美術をじっくり楽しむプロジェクト”は終わってしまったのかな。これ好きだったので残念。アトリウム ギャラリーでは大山エンリコイサム「Kairosphere」。カフェの奥に見える屋外展示の青木野枝作品にご挨拶してから離脱。大充実でした。


ポーラ美術館Xひろしま美術館 共同企画「印象派、記憶への旅」モネ、ゴッホ、マティス、ピカソ…。
2019/03/23-07/28 ポーラ美術館
2019/08/10-10/27 ひろしま美術館

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