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2019/03/31

「ラファエル前派の軌跡」三菱一号館美術館

三菱一号館美術館で「ラファエル前派の軌跡」展を見てきました。生誕200年のラスキンを軸にしたもの。彼が集めていたというターナーから始まり、本人の水彩風景素描が続きます。1年前までの同館展示半券提示で200円引きになるというリピーター割、今まで知らなくて今回初めて利用しました。

構成は以下の通り。
第1章: ターナーとラスキン
第2章: ラファエル前派
第3章: ラファエル前派周縁
第4章: バーン=ジョーンズ
第5章: ウィリアム・モリスと装飾芸術

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美術展のタイトルが「ラファエル前派の軌跡」。見る前はタイトルについた「軌跡」はつい流しがちだけど、見終わった後に考えるとその言葉がとても大きな意味を持っていることが多いですよね。でもって、英題や仏語題の方がストレートに美術展の内容を表していることも多いような。今回は英題が「Parabola of Pre-Raphaelitism」で、やっぱり日本語のタイトルより意味が入ってきやすい気がします。ラスキン生誕200年、ということを先に知っていなければ「え?」と思ってしまったかも。私それくらい「軌跡」をスルーしてました(笑)。

しかし「ラスキン生誕200年」を念頭に置いて見ても、結構な驚きがあったのでした。ジョン・ラスキンのことは、評論家でエフィー・グレイと結婚していたがミレイと恋仲になったエフィーに結婚無効の申し立てをされてしまった人、というイメージだったので、本人も絵を描く人だったとは知らず…。今回の展示の最初の方に、ターナーと並んでラスキンによるたくさんの風景が素描が並んでいたのですが、これが上手いのなんのって。素早い筆致と豊かな描写は見飽きることがありませんでした。ラスキン見直したわー。

三菱一号館美術館の空間に、イギリス絵画はよく似合いますよね。全般に緻密な水彩や素描が多く、単眼鏡が大活躍でした(超細密版木や挿画本なども)。水彩や素描は所蔵館に行ったとしても見られない可能性の方が大きいから貴重な機会です。

3階の一番大きな展示室のみ撮影可になっていて、この部屋にはラファエル前派の王道と言えるような油画が並びます。メインビジュアルのロセッティを含めこの7-8年の間に日本に来た絵も多いように感じたけれど、いい絵は何度見てもいいから無問題。私は今まで絵画を上手く撮れた試しがないので見る専門で堪能しました。

他の部屋では、ミレイの初めて見る個人所蔵の絵やアーサー・ヒューズが目を惹きました。ヒューズ《リュートのひび》は「え?ひびきじゃなくて?ひび?」と、存在しない《き》を探してキャプションを三度見 してしまった(笑)。テニスンの詩に霊感を得たメランコリックな絵。

いつも通り上手いバーン=ジョーンズも見ごたえあり。特に最後の方にあったチャコールの絵は圧巻でした。タイル絵、ステンドグラスなども。最後はアーツ&クラフツまで。

油画の割合は結構低めなので、見る人によっては地味に感じるかもですが…大抵の特別展は30分くらいで出てきちゃう私が、好みドンピシャとはいえ1時間半じっくり堪能しました。始まったばかりでそんなに混んでなかったので、小さな三菱一号館の展示室でも快適に見られました。細かい絵が多いから絵の前の滞在時間が長くなりがちですし、行くなら早めが吉だと思われます。会期後半は写真撮影含め大変かも。

ショップには関連図書としてラスキンの著書「この最後の者にも・ごまとゆり」があったのでパラパラめくったけど、注釈が多くて字が小さくて目が滑ったので手が出ませんでした。軟弱者のわたくし…。展覧会限定はカレルチャペックとのコラボ紅茶などがありました。図録は2,300円。図版がちょっと小さいのが残念だけど買わないわけにもいきませぬ。

巡回先の久留米市美には行ったことがありませんが、あべのハルカス美術館のあの空間で見たら、全然違う印象を持ちそうで、それもまた興味深いですね。

ラファエル前派の軌跡展
2019/03/14-06/09 三菱一号館美術館
2019/06/20-09/08 久留米市美術館
2019/10/05-12/15 あべのハルカス美術館


美術館の通路から見下ろすブリックスクエアにはハクモクレンかな?綺麗に咲いておりました。バラまではもう少しですね。次の展示マリアノ・フォルチュニの頃にも残っているかしら。次もとっても面白そうです。

ちょっと話がずれますが、今日チラシで見た東京ステーションギャラリーのアルヴァ・アアルト。葉山の展示が評判よかったけど、ステーションギャラリーではどうかな。チラシの写真に使われているアルミン・リンケ撮影の写真がどことなく青森県美を連想させて、東京のあと巡回する青森で見るのも良さそうだなーと思ってしまいました。(その時期に青森に行くのは無理かもしれないけど…)

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