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2019/02/18

「没後50年 藤田嗣治 本のしごと その美しき本と愛しい挿絵たち」東京富士美術館

東京富士美術館で開催中の「没後50年 藤田嗣治 本のしごと その美しき本と愛しい挿絵たち」を見てきました。昨年西宮から始まって、目黒、ビュフェ美術館と巡回してきた展示です。藤田の挿絵本の展覧会は2012年「藤田嗣治と愛書都市パリ」と2013年「藤田嗣治 本のしごと―日本での装幀を中心に」で見ていて(いずれも林洋子氏企画協力)、今回も林洋子氏監修展とのことなので、それらの延長線上にある展示と考えていいのかな。

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構成は以下の通り。
1章:パリでの出版
2章:日本での本に関わる仕事と様々な制作
3章:戦後フランスでの出版
4章:藤田嗣治と猫

2012年「藤田嗣治と愛書都市パリ」は東京国立近代美術館所蔵の藤田嗣治旧蔵本がメインだったので、そのときに見たものも今回それなりに含まれていたのだけど、目黒区美術館とベルナール・ビュフェ美術館の所蔵品は初めて見るものばかりで、挿画のみならず油画や日本画、屏風などもあり、それらがとてもよかったです。

印象に残っているのはバレエ・スエドワ本(スウェーデン・バレエと表記)のために描いた挿画(東京富士美術館所蔵品)。ちょうど先月のANA機内誌「翼の王国」鹿島茂先生の連載「稀書探訪」で『バレ・シュエドワ』の文字を見たばかりだったし。バレエ系の話題よりむしろ美術系でその痕跡を見ることの多いバレエ・スエドワ、藤田も関わっていたのですね。知らなかった。この辺りについては、今後もう少し意識しておきたい。

人間よりも猫の方が筆に気合が入るタイプとお見受けするフジタ、戦車や戦闘機の描写も見事でございました。戦争絵画の迫力とはまた違うタイプ。

最初の妻へパリから送った便りを見るのはこれで3回目かな…毎回こんな羞恥プレイはお気の毒すぎると思うのだけど、でもやっぱり面白くてついつい見てしまう(笑)。今回は目黒区美術館所蔵の、フランク・シャーマンに当てた書簡もそれに当たるかな。GHQ民政官だったシャーマンのおかげでNYへの渡航許可がでたフジタは、ハワイで妻にビザが下りて合流できる日を心待ちにしながらシャーマンに「どうか早く妻にもヴィザを!」と書簡を送り続けたわけですが、どこか子供のように妻を待ちわびる気持ちと現状を面白おかしく、心を開いた友人としてシャーマンに綴っていました。その打ち解け方が、藤田があちこちで支援者を得られた理由の1つかもなーと思ったりも。

最後の章の猫が本当に最高で、紙に墨で描いた日本画の猫のあれこれは特に猫派ではない私でも喉を鳴らして喜びたくなるほど。それと、今回初めて気づいたのですが、中に落款の代わり?に手のひら印の判が押してあるものが何点かありましたね。あれ、猫の肉球的に可愛かった。今回初めて見たような気がするのだけど、今まで見過ごしてただけかなあ。(過去の図録を引っ張り出すのが面倒なので…あとで確認して見る)

一応前後期と会期が分かれているのですが、出品リストを見たところ入れ替えになるのは澤鋻治宛の絵葉書だけのようです。でもこの絵葉書力作だから、チャンスがあれば後期にもう一度行けるといいなあ。

挿画など小さなサイズで多点展示の美術展は混雑するともうどうしようもなくなるのだけど、寒い週末の夕方だったので訪問者も少なく、自分のペースで見倒せたのがよかったです。おそらく、堪能しすぎて雀さんをかなり待たせてしまったのではなかろうか…。あと、ガラスケース越しに見ることが多い展示の性格上かと思いますが、ガラスケースにたくさんのおでこの後が残っておりました…(笑)。営業時間中はいちいち拭かないのかなー。その汚れで展示がちょっと見えにくい場所があったりしたけども。。。

図録は2デザインあったようですが、会場限定のものは既に売り切れていたようです。購入しようか迷ったのだけど、小さめサイズで収録画像も小さく、分厚くて読みにくい製本だったのでやめてしまった。ギリ3kいかずに収めました!という価格だったので、通常サイズだと高額になってしまうからかなあ…と思ったり。でも老眼鏡必須のお年頃には辛いサイズなんだよねえ。。


常設の方は、西洋絵画は昨年見た「ロシア絵画の至宝展」の時と変わってなかった気がする。写真コレクションは「第1次世界大戦終戦100年〜フジタが見たパリ」というもので、その当時のパリを写した写真が並んでいました。ピカソとマティスそれぞれをキャパが撮った写真がありました。マティスがベッドの上でカメラの方を見て笑いながら何か作業をしている写真、前にも見たことがあったけど、これを撮ったのがキャパだというのは知らなかったので「へー」となりました。ピカソの隣にいる女性はドラ・マールかなあ。

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