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2019/01/28

「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」愛媛県美術館

愛媛県美術館で印象派への旅 - 海運王の夢 バレル・コレクション」を見て来ました。これも次にbunkamuraに巡回するのですが、愛媛県美のコレクション展も見たかったから、強引な遠征計画を立てちゃいました。見たいものが見られて満足いく遠征ではありましたが、観光はほとんどできなかったので次回雀坊堂とのんびり訪れたいです。

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構成は以下の通り。

第1章 身の回りの情景
1-1 室内の情景
1-2 静物
第2章 戸外に目を向けて
2-1 街中で
2-2 郊外へ
第3章 川から港、そして外洋へ
3-1 川辺の風景
3-2外洋への旅

そういえばこれも元ワンオーナー展でした。グラスゴー出身のウィリアム・バレルが故郷に寄贈して誕生したバレル・コレクションは現在改築のため一時閉館中。そのために実現した初来日多数の作品が並ぶ美術展です。バレル・コレクションと一緒にきているケルヴィングローヴ美術博物館の作品のうち何点かは日本に来たことある絵みたいだけど、バレル・コレクションは全て初来日。

バレルさんは海運業のオーナーということで、時々同じ海運業だった松方幸次郎のことを思い出しつつ。松方コレクション展も今年は西洋美術館で集大成のがあるんですよね。それもすごく楽しみにしています。

タイトルに印象派の文字が入る上にメインイメージがドガなので、印象派中心の展示かなと思ってしまうところですが、実際にはもう少し幅広い時代の、派手さはないものの美しい絵画が並んでいます。全体的にドラマティックすぎない穏やかな作品が多かった印象で、私はこの方の趣味に共感しきりでした。ファンタン=ラトゥールが4枚、見たいと願っていた絵が来てて嬉しかったです。願わくば菊の絵も見たかった…。

第1章に並ぶフランソワ・ボンヴァン、テオデュール・リボー、ヤーコブ・マリスあたりが新鮮。ボンヴァンの静物画のチーズは、単眼鏡でみるとまさに食べごろ!切り口から熟した内側が今にもとろりと出て来そうでした。お腹空いたなーと思いながら見て回っていたので堪らなかったわー。果物を題材にした静物画も、クールベ、セザンヌ、ルノワール、ファンタン=ラトゥールなどなど、それぞれの表現と個性が見比べられるのが楽しい。

ペプローはトレードマークのようなバラの絵もコーヒーとリキュールの絵も速筆っぽい筆跡が印象に残ります。筆致だけ見るとざっと筆を動かしているだけみたいに見えるのに、ねえ。花の絵はやはりファンタン=ラトゥールが素晴らしかった。彼の花の絵としても傑作の類になるのではないかしら。この絵が手元にあったらどれだけ幸せでしょう(ということで絵葉書は禁じ手なのでクリアホルダーを買いました・笑)。

第2章では、やはりドガがよかった。このドガは少し離れたところから写真撮影OKになっていました(他にクールベとブータンが1枚ずつ遠景からの撮影可)。16時半過ぎに入ったので展示室内に見ている人が少なく、撮影時も鑑賞時も人を気にする必要がなかったのはよかったです。ドガのバレリーナの作品としてもとても良いものではないかと。あとから描き足したという指導者の男性はジュール・ペローだそうです。

他に風景画ではル・シダネルの雪景色がとても好きでした。いろんな色を含んだ雪の色が良い。コローもありました。第3章の夜の入江の絵もよかった。ブーダンもいくつかあって、おなじみの海辺のものもよかったのだけど、川べりで女性たちが洗濯している絵の独特の活気が見えるのも面白い。マリス兄弟はどのテーマにも絵が出てて、その辺りにもちょっと興味を惹かれました。全体に水彩に面白いものが多かった気がします。

図録はこちらも小さめサイズで、図版が小さくなるのはちょっと悲しいかなーと思ったけれど、その分扱いやすいようにも思いました。横長なのは好みが分かれそうで、主に収納面でどうかなーと。


コレクション展では県指定有形文化財の弘法大師像修理完了記念の特別公開が資料と共に。「手のアト」というテーマ展示も面白かったです。コレクションをこういう風にキュレーションして見せてくれるのが常設の楽しみなので。

常設で海運業のバレル氏にちなんでか水をテーマにした日本画と西洋美術。日本画では岩田壮平の「花の形」「六々魚」が印象に残ります。前田青邨はどこでどの作品を見ても凄みにたじろぐな…。

西洋絵画も佳品が並びます。こちらのコローは良いコローですね。好き…。西洋絵画の展示を一巡りして最後にコローをもう一度見納めようかと振り返ったら、監視員さんが私が展示室を出るのを待ち構えていたので諦めました(笑)。4時半過ぎに入り、コレクション展と合わせて6時の閉館まで余裕でしょって思ってたし実際そうだったんだけど、5時半すぎてからの監視員さんたちの圧はちょっと強かったですね(笑)。スミマセン、という気持ち。

館内のフリースペースからはおそらく松山城が見えると思うのだけど(外からも見えた)、すっかり日が暮れてしまったし閉館の時間だったので建物を堪能することはできず。再訪の際は明るい時間に、と心に誓いました。


印象派への旅 海運王の夢 - バレル・コレクション
2018/10/12-12/09 福岡県立美術館<終了>
2018/12/19-2019/03/24 愛媛県美術館
2019/04/27-06/30 Bunkamura ザ・ミュージアム
2019/08/07-10/20 静岡市美術館
2019/11/02-2020/01/26 広島県立美術館

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