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2018/09/03

「没後50年藤田嗣治展」東京都美術館

少し前のことですが、東京都美術館で「没後50年藤田嗣治展」を見てきました。お盆期間中の月曜開館日閉館前、ゲリラ豪雨の後の美術館は激混みというほどでもなく。今回は小さなサイズなどじっくり近くで見る系のものがあまりなかったので、行列して次の絵へということもなくてストレスなく見られました。

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構成は以下の通り。
I. 原風景 - 家族と風景
II. はじまりのパリ - 第一次世界大戦をはさんで
III. 1920年代の自画像と肖像 - 「時代:をまとうひとの姿
IV. 「乳白色の裸婦」の時代
V. 1930年代・旅する画家 - 北米・中南米・アジア
VI-1. 「歴史」に直面する - 二度の「大戦」との遭遇
VI-2. 「歴史」に直面する - 作戦記録画へ
VII. 戦後の20年 - 東京・ニューヨーク・パリ
VIII. カトリックへの道行き

一言でいうと、ものすごいボリュームでした。見ても見てもその先に次々ハイライトがやってくる。名品を並べるだけでなく、細やかに画業を振り返りその人生を俯瞰する、没後50年にふさわしい展示でした。油画メインなので、”本の仕事”などは今巡回中の別の展示で最新の調査結果を知ることになるでしょうが(八王子で見る予定)、見た後の満足度、高かったです。

内外の美術館、個人蔵の作品があちこちから集まっていまして、キャプションの所蔵館を見ては「ここがこんな藤田を持っているのかー」と知るのが楽しかったりも。

日本とパリと中南米、というイメージだったから、シカゴ美術館に大作があることにも驚きました。その《エミリー・クレイン=シャドボーンの肖像》のモデルであり注文主は当時パリに暮らしていたシカゴ出身の富裕なアメリカ人女性で、1952年に所蔵品をシカゴ美術館に寄贈している、とのこと。この絵は背景に銀箔がタイル状に貼られているのも珍しく、乳白色の首から上と手とそれ以外を覆った洋服の描写、横たわるソファの模様、そして寄り添う猫と印象に残る作品です。銀箔は今は黒く変化してしまっているのだけど、描いた当時はどんな輝きを放っていたのかしら。

乳白色の裸婦像が並ぶ展示室も壮観でした。大原美術館の《舞踏会の前》は修復に入る直前に現地で見て以来(その後何度か東京で展示されていると思うけど)。この中では、ほんのり頰に赤みがさす《タピスリーの裸婦》(京都国立近代美術館)が好き。

フジタといえば猫。twitterでどなたかが「絵の中に全部で何匹猫が描かれているかを数えながら見ていったが、《争闘(猫)》(東京国立近代美術館)で諦めたとおっしゃっていたのを、その絵の前で思い出して、ふふっとなりました。この絵に猫は14匹描かれております。

”作戦記録画”からは《アッツ島玉砕》《サイパン島同胞臣節を全うす》の2枚が出展。東京国立近代美術館にある”作戦記録画”が全て並んでいたなら、と思わずにはいられなかったけれど、それは難しかったのだろうか。

戦後20年の章で見た個人蔵《夢》も良かった。”夢”とタイトルにつく女性が眠る絵も藤田はたくさん描いているけれど、これは《オペラ座の夢》の次に好きかも。構図にハッとさせられるし、覗き込む動物たちや天井にかけられた布の描きこみも好き。

最後の章「カトリックへの道行き」も意外にボリュームゾーンで見応えありました。ここで満足度がさらに高まった感じ。圧巻は山梨県立美術館の《黙示録(四人の騎士)》《黙示録(七つのトランペット)》《黙示録(天国と地獄)》。羊皮紙に墨と水彩でみっちり描きこまれたこの3連作は、限定1部の豪華本の挿絵として描かれたものだとか。すごいなコレ。思わずじっくり覗き込んでしまいました。混んできたらここが渋滞スポットになりそう…だけど、明日からの後期は秋田県立近代美術館のエッチングに展示替えされるとのこと。

フジタの宗教画はひろしま美術館にもあるのだけどそれらは出ていなかったので、ぜひ現地にてご覧あれ。

図録を見ると、東京と京都では出品作品もちょっと変わりそうなので、機会があれば京都でも見れたらいいなと思っています。


「没後50年 藤田嗣治展」
2018/07/31-10/08 東京都美術館
2018/10/19-12/16 京都国立近代美術館

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