FC2ブログ
--/--/--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2018/07/28

「ルドン ひらかれた夢ー幻想の世紀末から現代へ」ポーラ美術館

ポーラ美術館で開催中の「ルドン ひらかれた夢ー幻想の世紀末から現代へ」を見て来ました。いつも会期末が近づいてから慌てて行くのに、ポーラ美術館の初日に行ったのは初めて。こちらはいつでもある程度の客入りがあり、空きすぎることも混みすぎることもほとんどないのだけど、初日もそれは変わらないようでした。ただ、ちょうどお昼時だったのでレストランとカフェ目当ての入場者も多く、駐車場はいつもよりやや混み。レストランも行列発生してました。

構成は以下のとおり。
第1章: 夢の中で - 「夢」の源泉
第2章: 水と生命 - 始原的なかたち
第3章: 翼と気球 - 近代性と神話
第4章: ひらかれた夢 - 花と眼
第5章: 21世紀にひらく夢 - 受け継がれるルドン

2018072200.jpg

ルドン展は今年三菱一号館美術館でも開催されましたが、あちらはドムシー男爵邸の食堂装飾を軸に花をテーマにした展示でした。今回のポーラ美術館の展示は近年の研究からルドンの画業を改めて捉え直し、また現代美術への影響までを見る、というもの。岐阜県美術館のルドンコレクションを中心に国内から101点。三菱一号館やその後に行った岐阜県美で見たものもあったけれど、見ごたえありました。

「ルドン」の文字の形に切り抜かれたアーチをくぐって展示室へ入る演出が楽しく。第1章は黒の時代を、彼が参照したブレスダン、デューラー、レンブラント、ゴヤなどの版画と共に。彼にアドバイスをしたというコローの油画はポーラ美の所蔵品。岐阜県美のルドン「薔薇色の岩」は先日の岐阜では上の方にあってじっくり見られなかった(…と思うんだけど。。)ので間近でじっくり見られて幸せ。ポーラ美術館のモネとスーラもここにいました。ポーラ美術館の所蔵品は今全国の美術館をツアー中なのですが、睡蓮は2つとも残っているのだね。ポーラ美術館の所蔵品はお久しぶりの絵も多くて新鮮でした。(とはいえ年に1回くらいしか行けてないのですけども)

出品リストには書いてなかったけど、岩明均『寄生獣』と押見修造『悪の華』の原画はここだったかな。さすがにこのエリアはちょっと渋滞(笑)。水木さんの目玉おやじも参考資料的に展示してあったけど、水木さんはともかく、奇想漫画に展開させるのは面白い。

第2章からはテーマ別と言っていいのかな。ベアトリーチェやオフィーリアが並ぶ一角。スフィンクス、イカロス、アポロン、ペガサス、ケンタウロスと翼の描写が並ぶ一角、そして目を閉じる人と花の静物画のルドンらしい一角。似たテーマの絵を集めて繰り返しの描写を見せる展示はかなり好きでした。鹿島コレクションの洋書があちこちガラスケースに並んでいたのもありがたし。そういえば三菱一号館に続いてオリヴィエ・サンセールの屏風も来ていました。
(追記:先日岐阜で見てきたモローの「聖バスティアヌスト天使」が来てたの、すごく嬉しかった。岐阜県美が休館に入ってしまうと、きっとしばらく会えないものね。)

そして、最後の現代美術のコーナーが楽しかった。今横浜で開催中のモネ展がモネを起点に現代美術が面白くなる美術展であるように、こちらでもルドンを起点に現代美術を楽しめます。この部屋の作家さんたちはルドンについてのコメントも寄せられているのもよかったです。鴻池さんのみみおは初めて見たし、素焼き粘土の作品がみっちりガラスケースに収まっていたのも楽しくて。


コレクション展は西洋絵画名作展ガラス工芸名作選-花の様式と共にピカソ《海辺の母子像》の最新の調査報告展示、フジタの特集展示がありました。これ、知らなかったので嬉しい驚き。久しぶりに見るようなフジタもたくさんあったのですが、新収蔵として「....風に」の連作26展が飾られていました。これ、2013-14年の「レオナール・フジタとパリ 1913-1931」にも出ていて、その時の所蔵を確認したら吉井画廊とのこと。久しぶりに小さな職人シリーズの一部も展示されていました。

増田セバスチャンxクロード・モネ「POINT-RHYTHM WORLD 2018 - モネの小宇宙-」というインスタレーションも。これ、12月までの会期中新たな演出が追加されて行くそうです。アトリウムギャラリーでは「平野薫―記憶と歴史」。B1のアトリウムスペースの高い天井から垂れ下がる糸、最初はよくわからなかったのだけど、上をよく見たら傘の骨から下がっていました。傘の張り地をほどいて再構成しているそうです。展示された3つの傘は、留学したドイツの傘(旧東ドイツ製)と、故郷・長崎、そして現住地・広島のものだそう。その土地の持つ歴史を想起させる意図もありそうですね。

また、奥のギャラリーにはJUKIの工業用ミシンと無数のミシン糸からなる新作インスタレーションだそう。時折ミシンが自動的に動くようになっているのだけど、糸も布もセットされていない、というところに意味があるのだろうな。そして戦時中の重機製造にルーツをもつメーカーのミシンというところにもメッセージがある様子。ただ…見た私の個人的な記憶として、ミシンもミシン糸も子供の頃我が家にたくさんあって…工場が遊び場だったので(実家がアパレルメーカーの下請け縫製業を営んでいたので)、ぐっとノスタルジーに寄ってしまったのでした。…まあこれも受け取り方のひとつよね。

ということでいつもよりもだいぶ長居をしてしまいました。雀さんソファーベンチで待ちぼうけ(申し訳ない!)。館内でスタンプラリー的なものを実施していて、3箇所で専用用紙スタンプを押すと、ルドンの花瓶の絵が完成するようになっていました。雀さんの力作をご覧ください!

2018072201.jpg

「ルドン ひらかれた夢ー幻想の世紀末から現代へ」
2018/07/22-12/02 ポーラ美術館

コメント

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。