2018/06/23

「モネ それからの100年」名古屋市美術館

名古屋市美術館で「すべてはモネからはじまった モネ それからの100年」を見てきました。名古屋のあと横浜美術館に巡回があります。英題「Monet’s Legacy」がより美術展の主題をクリアに表しているように思いますが、現代美術はモネからはじまった、あるいは、現代美術をモネを下敷きに楽しんじゃいましょう、という趣旨の展示です。

2016年に福岡で見た(前年の東京展をミスしたので)モネ展の最後の展示室に並べられた晩年の睡蓮たちを見たときに「まるで現代美術のようだ」と感じていたので、この趣旨にはとても共感でき、とても楽しみにしていました。

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構成は以下の通り。
第1章: 新しい絵画へ - 立ちあがる色彩と筆触 Towards a New Type of Painting
第2章: 形なきものへの眼差し - 光、大気、水 Looking at the Formless
第3章: モネへのオマージュ - さまざまな「引用」のかたち Homage to Monet
第4章: フレームを越えて - 拡張するイメージと空間 - Beyond the Frame

今回の展示は、大部分が国内から。国内の美術館や個人、あるいは作家本人のもとから出品されていたのが印象に残っています。ナーマッド・コレクションとロンドンの個人から1枚ずつが海外からの借用品であったかと。

国内の美術館にあるモネって美品が多いんですよね。私が見に行った時は24点のモネがありましたが、どれも品の良い作品。晩年の白内障を患いながらガツガツ描いたようなタイプのものは展示されていないので、現代美術はモネからって言われても…となってしまいそうですが、各章ごとに「なるほどね、言われてみれば」って納得がいく感じ。

モネに限って言えば初めてみる作品は1/3位かしら…行くのがちょっと遅くて和泉市久保惣記念美術館の「睡蓮の池」が見られず残念。名古屋には出ない作品もあるので、もしかしたら横美にも行ってしまうかも。

モネを現代美術の祖とするのがわかりやすいのは、同じモチーフをひたすら描き続けたことで何を追っていたのかがわかるから、でしょうか。色を混ぜずにキャンバスに置く印象派の手法、光、水の揺らぎ、そういったものをキャンバスに写し取り続けた画家だから。

日本の現代美術家の作品が多くて、こんなに日本の現代美術家の作品をまとめて見たのは以前大原美術館に行った時以来かも(普段あまり見ないから…)。大原美術館に行った時も、今回の展示にも出ている福田美蘭「モネの睡蓮」を始めとするいくつかのモネを引用した現代美術が並んでいたんですよね。福田さんの作品は大原美術館の中庭の池にある、ジヴェルニーのモネの庭から譲り受けた睡蓮が描かれているのですが、他にもやはり大原美術館とジヴェルニーを結びつけるような作品があり、引用って元ネタがわかるとこんなに包容力を感じるものなのか、と驚いたことを覚えています。

今回の展示は、そこまであからさまに引用しているものばかりではありませんが、モネと共通するテーマが見えるとそれらに親しみを覚えるし、また逆に(モネが睡蓮の連作を描き始めてから)100年経っても、人は同じように光や水の揺らぎ、時の経過を刻みつけ続けているのだな、と、モネが追った美の普遍性も改めて思うのでした。キャンバスからメディアは変わっても、大きな枠組みで見れば、どんな作品もモネを引用していることになってしまうのかも。

私みたいに超保守的な絵の見方をする人ほど「目から鱗」があるかもしれません。

モネ それからの100年
2018/04/25-07/01 名古屋市美術館
2018/07/14-09/24 横浜美術館

# 名古屋市美のコレクション展は閉館時間が近づいていたのでほとんど駆け足になってしまい、見たとは言いづらい(笑)。

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