2018/04/24

「シャガール 三次元の世界」青森県立美術館

青森県立美術館で「シャガール 三次元の世界」と「シンプルの正体 ディック・ブルーナのデザイン展」を見てきました。どちらも東京展があったものですが、青森県美に遠征するならシャガールがふさわしい。

青森県立美術館にはアレコホールと呼ばれる吹き抜けのホールがありまして、そこにシャガールが描いたバレエ「アレコ」の背景画が展示されています。青森県美は全4幕のうち第1,2,4幕を所蔵しているので通常は3枚の背景画が見られるのですが、第3幕の背景画を所蔵しているフィラデルフィア美術館の改修に伴い、昨年4月から2021年3月頃までその残りの1枚も青森に来ているのです。行くしかないでしょ。

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シャガール展の構成は以下のとおり。
絵画から彫刻へ - 《誕生日》をめぐって
空間への意識 - アヴァンギャルドの影響
穿たれた形 - 陶器における探求
平面と立体の境界 - 聖なる主題
平面と立体の境界 - 素材とヴォリューム
立体への志向 - 動物モチーフ
立体への志向 - 肖像、二重肖像
立体への志向 - 重なりあうかたち
立体への志向 - 垂直性
劇場の仕事と三次元の世界

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盛岡での反省を踏まえ、青森県立美術館へは朝一で行きました。午後の予定は流動的にして、心ゆくまで美術館を楽しむことに。正解でした。この私が昼食含めて4時間滞在。いい美術館だなあ。青森の人たちが羨ましい。

さてシャガール。私、自分ではちっともシャガールが好きだとは思っていないはずなのですが、気づくと遠征に組み込んでいることがよくあります。それくらい手を替え品を替えシャガール展が日本で開催されているということでもあるでしょうけど、なんというかあの創作エネルギーとイマジネーションはすごいと思うのでした。

今回のは三次元がテーマということで、彫刻や陶器などへのアプローチがメイン。焼き物などは以前見たことがあったけど、大理石の彫刻などは彫り跡も生々しく圧倒されます。大半は個人蔵で、他に国内の美術館やAOKIホールディングス、そしてフランスの国立マルク・シャガール美術館からの出品。大成建設からも1枚出てました。

油画はやっぱりAOKIの所蔵品の質が良くて。最初の「誕生日」もそうだけど、”素材とヴォリューム”の展示室が他の部屋より華やかで輝いて見えると思ったら、「青い花瓶の花束」(my all-time favorite Chagall)と「花束の中のカップル」他AOKI所蔵品がたくさん並んでいる部屋だったり。

ロシアンアヴァンギャルドから動物モチーフ、聖書に恋人たち、とシャガールのモチーフがあらゆる手法で表現されていたのも面白かったし、それらが展示された壁が、無機質な白い壁だけでなく土壁を模した壁や白煉瓦の壁だったりと変化があって刺激的でした。

最後の部屋については図録にも作品リストにも記載がなかったので、もしかしたら青森独自の展示なのかしら。アレコの舞台映像が流れ、資料が展示されていました。バレエシアター(今のアメリカン・バレエ・シアター)によるもので振付がレオニード・マシーン、主演はアリシア・マルコワ。アントニー・チューダーやルチア・チェイス、うろ覚えだけどアントン・ドーリンも出演していたような…。こんな貴重映像が見られるとは思いませんでした。10分ちょっとだし古い映像特有の乱れもあるけれど、あの背景画の前で踊るダンサーたちの姿を見られて感無量。やー行って良かったです。

背景画が展示されたアレコホールでは、照明と音楽、ナレーションをつけた特別鑑賞プログラムが1日4回見られるようになっていまして、これが本当によくできていました。このホールは演劇やコンサートにも使われるから、照明もちゃんと舞台用のものが設置されているんですよね。ストーリーを語ってくれるので、先ほどの映像の補足としてこれ以上のものはありません。私はこの特別プログラムを見た後でまた最後の部屋に再入場して(係員の方にチケットを見せて再入場できました)映像見直しました。


青森県美は企画展と常設展が別料金になっています。両方見るときは100円引き。

アレコホールから最初にアプローチする展示室は奈良美智。少し進んだ先に「あおもり犬」がいるのはわかっているのだけど、自分を焦らすように、作品たちを楽しむ。「山下清と4つのおむすび」に小さく声を出して笑ってしまった。そして「あおもり犬」。ここは撮影OKなので、ちょうど韓国からの女性4人組がそれぞれあおもり犬と自撮りしたりして楽しんでいました。私が行った翌日が、通路開放前日恒例の大掃除の日だったんですよね。ということで私は外で間近に見ることはできず、館内からご挨拶。次に来るときはぜひ間近に見たいなあ。

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フロアを上がると棟方志功。さっきシャガールで繰り返しモチーフを見た鳥がここにも登場。そういえば何処となく共通点があるような…。青森市内にある棟方志功記念館の所蔵品も出ていて、ここを出た後にそちらに行くてもあるかなーとぼんやり考えつつ。タイトルは忘れてしまったけど、書と天女の絵が交互に配されて屏風に仕立てられた作品にある年の元旦に書いたとあり、なんと豪華な書き初めであることか、と(笑)。

菊地敦己のグラフィックデザインを見た先に成田亨の展示室。ウルトラマンの原画がずらりと並びます。私もその世代なので、これは楽しい。そして雀さんにも見せてあげたい。工藤甲人、石井康治と見た後に橋本花。岩手県美で気になった画家の絵が並んでいました。これは近い地域の美術館を続けて見ると時々ある関連性。色使いが好きなんだと思う。

その次の部屋はシャガール展関連企画としてルドン、ピカソ、マティス、カンディンスキー、クレーの版画。マティスの「ジャズ」が一列でなくリズムを持って展示されているのが面白いなーとぼんやり見ていたのですが、実はJ,A,Z,Zって配置されてた!

アグロス・アートプロジェクトという2年越しのプロジェクトの途中経過の発表展示を見て常設展はおしまい。気づいたらもうお昼過ぎてます。お腹すいた…

ということで、続きは別記事に分けますね。

コメント

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No title

こんにちは。

いいな、いいな。
ココ、どうしても行ってみたいです。

Re: No title

こんばんは。

ぱくちーさんきっとお好きだと思っていましたよ!
何時間でもいられる楽しい場所でした。常設が面白くて次へ次へと見て歩いたのですが、
もう少しじっくり堪能すれば良かったなーと、ちょっと後悔しています…。
私もすぐにでもまた行きたいです。