2018/04/22

「夜と美術 闇が流れる 月が舞う」秋田県立美術館

秋田県立美術館で企画展「夜と美術」と「平野政吉コレクション展I」を見てきました。

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安藤忠雄設計のこの美術館は2013年に旧県立美術館から移転してオープン。当時、藤田の大壁画「秋田の行事」のお引越しを扱ったテレビ番組を見た記憶があります。三角形をモチーフにしたコンクリート打ちっ放しの、空間をたっぷり使った建物でした。きっとその三角は秋田のAだよね?

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というわけで、藤田の大壁画「秋田の行事」が最大の楽しみでした。この作品のために設計された吹き抜けの大壁画ギャラリーでしばし見上げため息。横20メートル強のこの巨大な壁画を、藤田はたった15日間で描き上げたと知り、驚きました。もともと筆の速い人だそうですが、それにしてもこのサイズを。

秋田の資産家であった平野政吉が、亡くなった妻マドレーヌの鎮魂のために秋田に美術館を建設することを藤田に打診、それを受けて秋田入りした藤田が、秋田で壁画制作することを決めたそう。出来上がった壁画を飾るはずだった美術館は、着工されたものの戦時体制下で中断、1967年に財団法人平野政吉美術館が開館するまで制作現場だった平野家の米蔵で保管されていた、とのこと。

この米蔵の復元模型も飾られていまして、光源の乏しい屋内でどのような工夫がされていたかなどの推測とともに見ることができました。

同じ壁画ギャラリー内で平野政吉コレクション展として藤田が中南米などで描いた作品も。多分ほとんどは昨年千葉のDIC川村記念美術館で見たものかと。マドレーヌを傍らに旅を続けた時期の絵には、不思議なバイタリティーが溢れていますね。油画や素描だけでなく藤田が中南米を旅行中に収集したという細々としたものたちも。小さな可愛いものが好きな藤田の面目躍如、かな。

企画展を見るためにエレベーターで3Fに上がると、そこからも壁画を見下ろせるようにもなっていました。ちょっと絵まで遠いので、もしまた見にくる機会があれば双眼鏡でも持参したいところ。


3Fでは企画展の「夜と美術」。展示されていたのは作家蔵・個人蔵・秋田県立近代美術館蔵・秋田市立千秋美術館蔵のものでした。公益財団法人平野政吉美術財団が運営している県立美術館なので、県美としての所蔵品は持たない…のかしらね(よくわからない)。近美があるし。

30点弱の展示のうち、平福百穂「杜鵑夜」(秋田県立近代美術館所蔵)と藤田嗣治「雪國の少女」が心に残ります。2作品とも前期のみの展示とのこと。平福百穂は昨年富山で見て以来もっと作品を見たいと思っていたので、ここで見られて良かった。本当はせっかく秋田まで行くのだから角館の平福記念美術館にも行けたら良かったのですが、どうしてもうまく組み入れられなくて今回は断念。いつか桜のシーズンに訪れたいです。

入場料310円の企画展なのでこの点数でも満足ではありますが、展示室の数と広さから思うに、あまり大きな企画展は開けないのでは、という気が。でもその分ゆったりした空間を一緒に楽しむ美術館だったと思います。最近リニューアルした1Fの県民ギャラリーでは宝塚歌劇展をやっていました。(未見)

壁画と並ぶこの美術館の売りは、2Fのカフェ&ショップから見える水庭だろうと思います。午前中からコーヒーとアップルパイをいただいて、ゆったり堪能。水庭の先に千秋公園へのアプローチと旧県立美術館のどっしりした屋根が見えて落ち着きます。千秋公園の桜はこの日が開花宣言だったので、期待していたほんのり桜色の景色は見られなかったけど、ゆったりできました。

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しかし、このアップルパイがなかなかのボリュームで…おかげでランチに食べようと楽しみにしていた比内地鶏の親子丼が食べられなくなってしまいました。ばかばかー。

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