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2018/04/02

「ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち」世田谷美術館

東京展は既に終わってしまったのですが、世田谷美術館で「ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち」を見ました。ボストン美術館の収蔵品から、絵画・彫刻だけでなく写真やドレスなどで《18世紀から20世紀のパリを体現する女性たちの姿に迫》ったもの。

会期終了直前だったので混雑を心配していたのですが、それほどでもなかったです。確かにじっくり見る人の多い版画の前とか、オーディオガイドのある作品の前は多少の人溜まりがあったものの、なんとかなる程度で助かりました。

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構成は以下のとおり。
第1章 パリという舞台 - 邸宅と劇場にみる18世紀のエレガンス
第2章 日々の生活 - 家庭と仕事、女性の役割
第3章 「パリジェンヌ」の確立 - 憧れのスタイル
第4章 芸術をとりまく環境 - 制作者、モデル、ミューズ
第5章 モダン・シーン - 舞台、街角、スタジオ

最近展示室でも作品情報を確認するくらいで解説などはほとんど読まずに見ていくような人間がこんなこと言うのは失礼だとは思うのですが、女性史の側面はあまり深追いせずさらっと見せていたのでは、と言う印象。

第1章のサロンとロココファッションでは、ウォルター・ゲイの「フランスの室内装飾」が好みで最初から集中してしまったのですが、周囲にドレスだの何だの華やかに飾ってあるので、この絵の前はみなさんスルーされていて勿体無いやら独り占めできて嬉しいやら。ティーセットは銀のティーポットに有田だか伊万里だかの茶器という組み合わせがおもしろく。華やかな室内で美しい茶器を用い、美しく着飾った女主人ば場を仕切る…というのが立体的に見えます。でもファッションプレートには苦笑を禁じ得ませんよね…戦艦型に結った髪型とか、そりゃあ革命も起こるでしょうとも。

第2章からは油画をメインで見ていきました。ファンタン=ラトゥール「窓辺で刺繍をする人」はどこかで版画を見た覚えがあるけれど、今回出ていたのはその版画(リトグラフ)が刷られた紙をカンヴァスに裏打ちして油彩したものでした。画家本人によるものだからニュアンスが素晴らしくて。こういう繊細さが私がファンタン=ラトゥールを好きな理由なんだろうなーと。

ルイ=レオポルド・ボワイー「アイロンをかける若い女性」は、暗い室内で白いシーツか何かにアイロンをかける若い女性のの絵。女性の白いシャツとエプロン、そして大きく開いた胸元も白く輝く印象的な作品でした。ライティングが効果的だったのかも。地味めな絵だったと思うけど、後で雀さんとどの絵が良かったって話になった時にあがってくる位には印象的でした(我が家は展示室に入ったら別行動で各自の好きなように見て回る派)。

ステヴァンス「音楽室で休む若い女性」もこの画家にしては女性への目線に皮肉が感じられずきっちり描きこんであって。資産家からの注文だったのかなー。あの当時のピアノは燭台が取り付けられていたのねーと本題とは関係ないところに感心するなど。

第3章は私が好きな時代がメインだったのでファッション的に馴染みはあるものの、展示されたコルセット実物の細(すぎ)さ、美しいけれど長く外を歩くようにはできていないシルクサテンの女性用靴の意味するものを思うと複雑な想いに。でもこの時代の肖像画に残る女性たちが美しいのもまた事実で。ヴィンターハルター、サージェントという肖像画の名手による絵は、そういったモヤモヤを吹き飛ばす素晴らしさでした。特にサージェントはこれを目当てに行った訳で、間近から数歩離れたところから角度を変えて、とストーカーのように見まくって来ました。満足。

W.M.ハント「マルグリット」も良かったし、どこか挑戦的な目線の「メアリー・シアーズ」(ジョセフ・フロランタン・レオン・ボナ)も印象に残ります。

第4章では印象派を中心に。モリゾもカサットも、好きな絵が来てました。ドガがカサットを描いた「美術館にて」も。ルノワール「アルジェリアの娘」は想像より小さいサイズ。マネの大作「街の歌い手」は修復後初公開とか。ロートレックのカルマン・ゴーダンは画面全体に使われた緑の余韻に見入りました。ロートレックのあの緑は見た数日後にふと思い出されたりする緑、なのですよね私には。

第5章はモダンシーンを彩る女性たち。この時代はポストカードがブームだったそうで、ポストカードの展示がとても多かったです。写真ではブラッサイ「モンパルナスのキキ」の迫力ある横顔、舞台袖の一瞬を切り取ったのか?バレエ・リュスのベイビー・バレリーナ、タチアナ・リャブシンスカの妖艶な目線(アレクセイ・ブロドヴィッチ)、そして後ろ姿でもすぐわかる髪型のガートルード・スタイン(カール・ヴァン・ヴェクテン)のポートレート。被写体が一気に身近になりました。レギーナ・レラング「バルテ、パリ」、ユーサフ・カーシュ「レスリー・キャロン」「ブリジット・バルドー」まできて、揺るぎない強さが感じられる女性たちに到達。展示されたドレスもここへ来てようやく自由で美しく魅力的に。最後に踊るジョセフィン・ベーカーのフィルムを見ながら会場を出ました。

ファッション好きな方にも楽しい展示だったのではないでしょうか。名古屋ボストン美術館が閉館してしまっても、ボストン美術館の作品が定期的にたくさん日本で見られる関係が続きますように。


ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち」世田谷美術館
2018年01月13日(土)〜2018年04月01日(日)
このあと広島県立美術館へ巡回(2018/04/11-06/10)

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