2017/11/04

開館記念展Part 1「生命と美の物語 LIFE - 楽園をもとめて」富山県美術館

富山県美術館の開館記念展Part 1「生命と美の物語 LIFE - 楽園をもとめて」を見てきました。前身の富山県立近代美術館から場所を環水公園近くに移た、内藤廣デザインの美しく開かれた美術館です。待ちに待った開館記念展は、内外から優品を集めた見応えある展示。体調や天候などの関係で会期終了間際に弾丸で訪問しましたが、行ってよかったです。

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開館時間の15分くらい前についたのに、すでに人の姿も多く。スーツ姿の視察と思しき団体さんもいたし、観光バスで乗り付けたご老人たちの姿もあり、観光地としての役割もあるのかな、と。まずは朝8時から夜10時まで入れるオノマトペの屋上へ。「ぐるぐる」とか「ぶりぶり」とか名前のついた遊具?アート作品?が並んでいましたが、この時は子ども率0%。どんな風に子供達が遊ぶのか、見てみたかったな。

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良すぎるくらいのお天気でしたが、立山連峰方面は雲が厚く少し霞んでいました。しかも逆光。もう少しするとくっきり冠雪して綺麗に見えるでしょうね。手前は世界一美しいスタバがある環水公園です。

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開館時間になったので1階のチケット売り場に向かうと行列ができてました。お年寄りへの説明に時間がかかっていたみたい。開館直後は人が集中するから、こういうことが起こりがちですよね。


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構成は以下のとおり。
1章: INNOCENCE - 無垢、子ども、青春
2章: LOVE - 愛、エロス、友情
3章: DAILY LIFE - 日常、都市、なりわい
4章: EMOTIONS & IDEA - 感情、感覚、思考
5章: DREAMS - 夢、幻想、狂気、悪
6章: DEATH - 死、終焉、祈り、神話
7章: PRIMITIVE - 原始、素朴、未開
8章: NATURE - 自然、共生


構成の項目を見ると、芸術におけるほぼ全てのテーマがそこにありますね、と。これらを通して画家たちが求めた楽園とは、というのが本展(おそらく)。入れ替えを含めて約170点ほどの展示はボリュームがあり、見ごたえたっぷり。展示替え後で見られたかったものもありますが、ジャンル・年代・国内外問わずバラエティに富んでいて、この大きなテーマだからこそ馴染みのなかったものの面白さに気づく、招待状のような美術展でした。

三重県美のルノワール「青い服を着た若い女」は今まで写真でしか見たことなかったのだけど、実際にその前に立って見たら、とても美しかったです。ルノワールにしてはくすんだ色合いの作品に思えるけれど、色が濁ってなくて、却ってモデルの澄んだ美しさが引き立つような。隣にあった青木繁「女の顔」(京都国立近代美術館)のモデルの輝く瞳と併せて印象に残っています。この組み合わせに限らず、隣り合った絵に共通項が見えるような展示になっていて楽しかったです。

豊田市美のシーレ(前期には宮城県美のシーレもあったみたい。残念)にブレーメン美術館のヴァロットン、お目当てにあえて大満足。第4章には神原泰「スクリアビンの『エクスタシーの詩』に題す」(東京国立近代美術館)がありました。一気に頭の中が「法悦の詩」。そこからカンディンスキー、アドルフ・ゴットリーブ、サイ・トゥオンブリー、マーク・ロスコが続く空間は周囲に人がいなかったので贅沢に堪能。

愛知県美のクリムト「人生は戦いなり(黄金の騎士)」は第6章に。隣には個人蔵のデューラー「騎士と死と悪魔」がありました。クリムトはアウェイな分、照明で印象が変わって見えた気がします。この絵に会うの久しぶりだわ。愛知県美が改修に入ってしまったら、またしばらく会えなくなるのが残念です。

福島県美の関根正二「神の祈り」もとても印象に残っています。あの大原美術館の「信仰の悲しみ」の人なのね。福島県美のコレクションは一度じっくり拝見したい。8章の平福百穂「獅子図」の筆力にも圧倒され。最後は富山県美のポスターコレクションから、永井一正のポスターに「LIFE」の文字が矢継ぎ早に。展示のテーマを掲示して締めくくるのでした。三沢厚彦の熊は室内に1体と屋外(2階)に3体。鳥はオノマトペの屋上から2Fのクマを見下ろす辺りにいました。

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更にコレクション展も充実で前身の近代美術館の時に見たものとも再会できました。コレクションの目玉にと開館を機に購入したという藤田の「二人の裸婦」のお披露目に加えて、今回は富山出身の女優 室井滋さん所蔵の藤田嗣治の猫と、伊勢食品(イセコレクション)の伊勢彦信さんの藤田「座る裸婦」も特別出展。”近代”が取れてしまったせいか、近代美術が思ったより少なめだったけど、もっとガンガン見せて欲しいな。前に見たコレクション展、すごく楽しかったから。

大充実でたっぷり楽しみました。そうそう、今回は寄らなかったけど、館内のレストランはなんと たいめいけんが入っています。他に一階にもカフェあり。かなり悩んで図録も購入。図版が小さめのものがあったり解説が全てに入っている訳ではなかったのですが、少なくとも字は大きくてアラフィフには嬉しい(とほほ)。

富山には富山駅周辺だけでも富山市ガラス美術館やギャルリ・ミレー、水墨美術館、樂翠亭美術館など美術館が多くてアート好きにはオススメです。お寿司も美味しいよ(笑)。


生命と美の物語 LIFE 富山県美術館開館記念展 Part 1 生命と美の物語 LIFE - 楽園をもとめて
富山県美術館 2017年8月26日(土) ~2017年11月5日(日)  

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