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2014/03/20

「まだまだすごいぞ!大原美術館」

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大原美術館に行ってきました。嬉し恥ずかし倉敷初訪問。倉敷は夫婦でいつかと思っていたのですが、大原美術館の「まだまだすごいぞ!大原美術館」というテーマ展示がどうしても見たくて、お仕事絶賛修羅場中の雀さんを置いて一人で行ってしまいました。ごめんよー。

いやー行った甲斐がありました。なんというか、、、恐れ入って平伏したくなります。団体さんもわらわら入場する立派な「観光地」でありながら、美術館としての品格も全く損なわれていない。大声で話す人には監視員さんがすーっと近づいてにこやかに諫めるし、館内で2度もチケット落とした(ばか)私への対応も申し訳ないくらい素晴らしくて感激しました。

心配していた団体さんたちも、絵に興味がなければぐるっと早足で見て通り抜けていくので、美術愛好家との住み分けは何となく出来ているみたい。非常に快適に鑑賞することができました。


キャプションも適度な親しみやすさがあって分かりやすいし、置いてあるものは西洋美術の名品から陶芸の名品から現代アートにオリエント美術まで幅広い。何となくルーヴルを思い浮かべましたですよ。規模はずっと小さいから数時間で全部見てまわる事はできますが、コレクションの幅広さ懐の深さ。これだけのコレクションが私立で存在してる事が凄いし、しかも日本で最初の西洋美術を展示する美術館なんですよねぇ。

何でもっと早く来なかったのだろう……。この場所を知ってしまったからには、もう、事ある毎に訪れたいです。事(何?w)がなくても来たい。できたら次は、モネの睡蓮が咲いている時に来たいなぁ。それか、有隣荘の特別公開の時でも。いや、もういつでもいいです。明日でも行きたい。


大原美術館は、本館、工芸・東洋館、分館、児島虎次郎記念館、の4館プラス、普段はクローズしている有隣荘(年2回特別公開)から構成されています。一般の入場料は1,300円で、スタンプが押されていない館は当日でなくても後日入場可能。4館全てのスタンプが揃ったら、ミュージアムショップで記念品がいただけますよ。

大原美のサイトでアンケートを記入してプリントアウトし持参すると割引になる他、私は「おかやま旅ネット」というサイトでクーポンを見つけたので、それを利用しました。


「まだまだすごい」特集展示のテーマは以下の通り。

  • ようこそ大原美術館へ
  • パリ散歩、フランス旅行
  • 絵になる妻、絵になる娘
  • 末期の目
  • エキゾチックな女たち
  • せぴろまの夢-セザンヌが繋ぐ夢
  • ムンクの版画
  • ゴールド・マニア
  • 教科書でお会いしましたよね
  • 戦後-新しい絵画を求めて
  • 今・ここ・倉敷
  • 濱田庄司の「黍文(きびもん)」
  • 児島虎次郎と紙の額縁

たぶん、観光客も減りがちな季節だからこそできるリピーターを呼ぶ為の企画、かもですね。私のように初めて行く人が楽しいのはもちろんの事、「大原美術館?行った事あるしー」という方にも新たな発見を、という。

先にも書きましたがキャプションが親しみやすくコレクションも幅広いので、見て歩いているうちにものすごーく柔軟になっていく自分を感じられるのです。懐の深さ、と感じたのはそれ。


本館第1展示室に一歩足を踏み入れると目に飛び込んでくる児島虎次郎の「和服を着たベルギーの少女」から始まって、本当に本当に幸せな鑑賞でした。

本館2階の、この絵から美術館建築の際に建物のサイズが決まったというレオン・フレデリックの超大作「万有は死に帰す、されど神の愛は万有をして蘇らしめん All Things Die, But All Will Be Ressurrected through God's Love」。天井の高いこの部屋で他の絵画を見ている時も、このフレデリックの絵の気配はそこにいる人を捉えて放しません。どの場所にいても、ついこの絵を確認してしまう……。

この絵の反対側の奥の壁にはアマン=ジャン「ヴェニスの祭」が掛かっています。水辺で奏でられる音楽と甘い色彩に満たされた絵。


ピサロ、シスレー、ルソー、ユトリロ、ヴラマンク、コロー、デュフィ、、といったお馴染みでお気に入りの画家達が並ぶ「パリ散歩、フランス旅行」テーマの中で、おっ?!と思ったのがマティス「エトルタ - 海の断崖」。以前見た「光の賛歌 印象派展」でもいろんなモネやクールベなどが描いたエトルタの風景画をたんまり見ましたが、マティスが描いたエトルタは、特徴的な断崖を遠景にして人の暮らしがうかがえる海岸の描写をメインにしている事。低く垂れ込めた雲と暗い海、全体に低い彩度で描かれてはいるけれど、筆運びはマティスそのもの。

マティスは「エキゾチックな女たち」というテーマ展示にあった女性を描いた3作品も好みでした。木炭、ペン/墨、鉛筆で描かれたそれぞれ異国の女性たち。筆の勢いに魅せられます。どうも私、今はマティスにツボがあるみたい。


特等席にあるエル・グレコの「受胎告知」、目が離せなくなってしまったベルナール・ビュッフェ「アナベルの像」、これを目当てにしていったと言えるモロー「雅歌」。水彩でこの描写?と驚かされる衣装の色遣い。一部屋まるまるムンクの版画、も堪能しました。このあたりが、私にとって大原美術館のハイライトですね。ビュッフェは今までそんなに好きだと思った事なかったのだけど、俄然興味がわいてきました。一度伊豆の「ベルナール・ビュッフェ美術館」に行ってみなければ。

現代作品では花澤武夫「レッツ グルーブ(聖アントワーヌの誘惑)」が気に入りました。ピンクの空に星が浮かぶ山の麓で、どこか可愛らしい魑魅魍魎たちの酒盛り。タイトルがいいよねぇ。ミュージアムショップのポストカードも、この絵はかなり売れているようでしたよ。私も買った。


別館の「ゴールド・マニア」みたいなテーマ展示(古今東西のゴールドを使った美術品を展示)は大好き。「教科書でお会いしましたよね」は1つとして教科書で見た覚えがない絵が並んでいて愕然……たぶん年代のせいではなく、私が美術の教科書ちゃんと見ていなかったって事なのでしょうね。はー、昔の不勉強を恥じる機会は多々あれど、これは情けなかった。ちなみにホドラー「木を伐る人」はここにいました。2002年に高階秀爾館長が就任して以降に収蔵してきたという最近の作品展示も面白かったし、美術館の姿勢にも深く共感。美術館のありよう、美術愛好家の矜持を教えてもらった気がします。

東洋・工芸館の収蔵品も堪能。陶芸は見る目が足りずに踏み込んでは見られないのですが、例えば棟方志功はこの建物で見るのがとても相応しいな、と。富山で、棟方志功と大原家と富山の繋がりを知ったあのときから、よーやくここ倉敷で棟方志功が見る事ができました。その先、東洋館には石仏なども。児島虎次郎記念館のオリエント展示(古代エジプトやイスラムの像だの壺だの装飾品だのは、児島が個人的に集めていたものだそう)もそうですが、ここは本当にワンダーランドだわ……海外からのお客さんも楽しいでしょうねぇ。


アイビースクエアにある児島虎次郎記念館で印象的だったのは、夏の強い日差しを遮るように茂り花を咲かせる朝顔に水やりをする女性を描いた3連作「朝顔」(ここで他の絵と共に見られます。大きくない画像ですが)。年齢も着物の格も違う女性達が三様のポーズで水やりをする姿を描いているのですが、印象派の手法で日本の風景を描くとどこか異国的でおもしろいものですね。

特集展示「児島虎次郎と紙の額縁」も好企画。大原美術館所蔵の児島作品には紙を張り重ねて装飾を施した額をつけた絵が20点ほどあるそうで、何故紙の額が?という事は今も研究中だそうなのですが、それらをぜーんぶ見せましょう!と。傍目には木だか紙だか分からないのですが、どのような手法で紙の額縁をつくるか、というディスプレイがあったのは助けになりました。「そーっと触ってみてください」という触ってもいい額の見本まで置いてあって、これは凄く嬉しかった。絵と額縁を見るので忙しいのですが、のんびりゆったり楽しんできました。


ちうことで、超スーパー駆け足でダダっと。実は、盛り上がった時のいつもの調子でだらだら書き散らかしていたらとんでもないことになってしまいまして、ザックリ削ったため、多少言葉が足りなくなったりしているかもですが……。

ミュージアムショップは本館の出口に小さいのと、あと喫茶店エル・グレコの手前に立派なのが。倉敷土産を選ぶのにも楽しい感じのお店でした。センスもいいしね。土地柄、マスキングテープもいろいろ。収蔵品などのポストカードもずらりと並んでおりまして、10枚以上買うと10%オフの表示に、20枚も買いこんだのはワタクシでございます(笑)。だってー、好きな絵ばかりなんだもん。

倉敷はお買い物も食べ歩きも楽しいし、ねー。次が待ちきれません。

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コメント

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岡山、いいですねー。いいなあー。行ってみたい。牡蠣お好み焼きも食べたいしw 魅力的です。

岡山、食べもの美味しいですね!私は今回祭り寿司をいただいたのですが、ままかりは正義!と思いました♪ あとフルーツ天国なのも羨ましいです。桃のシーズンにまた来たいです。
かきおこ……今回はご縁がなかったので次はぜひトライせねば。
牡蠣食べたいなーと思ってキョロキョロしてたんですけど、そういえばお好み焼きも目に入らなかったorz 今、ひしひし悔しさをかみしめていますw