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2014/03/18

「ターナー展 英国最高の風景画家」

これも東京で見そびれたものの回収。神戸市博物館でターナー展を見てきました。正直、以前見た「英国水彩画展」でターナーはお腹いっぱいと思ったりもしたのですが、やはり回顧展は別もの、と思い直して行ってきました。テートのターナーには、以前美術番組で見て衝撃を受けた事もありましたし。

ちなみに、東京展に出品されていた「嵐の近づく海景」(東京富士美術館)と「風景:タンバリンを持つ女」(栃木県立美術館)は神戸展には巡回せず。富士美のは何度も見たことあるからいいけど、栃木県美のは見てみたかったなぁ。いずれチャンスがあるといいのだけど。

雨の降る日の朝イチで最初の方は人溜まりがありましたが、そこを抜けて快適鑑賞してきました。


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構成は以下の通り。
初期
「崇高」の追求
戦時下の牧歌的風景
イタリア
英国における新たな平和
ヨーロッパ大陸への旅行
ヴェネツィア
色彩と雰囲気を巡る実験
後期の海景画
晩年の作品


お腹いっぱいと思ってはいたものの、ここに並んでいたのは何かしらドラマティックで、その点非常に入り込みやすく。水彩から入った画業の道を辿り晩年の抽象画のような「湖に沈む夕日」絵まで、やっぱり見てよかったです。水彩については昨年見た「英国水彩画展」がより充実していた印象を受けましたが、30点あまり来ていた油画はどれも見事。太陽と水と、その間にある湿気を含んだ空気を通した光。ターナーは水辺の風景を多く残した画家だけれど、帆船や海のうねりの描写とともに、そこにある光のとらえ方が素晴らしい。

若い頃の習作「月光、ミルバンクより眺めた習作」、以前テレビで見て「これを見る為にテートに行かなくちゃ」と思っていた「グリゾン州の雪崩」の力強さ。

人物を手前に小さく配して遠く続く風景とのどかな空気を描いた「ディドとエアネアス」や「イングランド:リッチモンド・ヒル、プリンス・リージェント(摂生王太子)の誕生日に」。人物はぼんやり描くのに(笑)帆船の描写は隙がない「スピットヘッド:ポーツマス港に入る拿捕された二隻のデンマーク船」。

晴れ晴れしいイタリアでの絵画は大作が並んでいて迫力あり。「ヴァティカンから望むローマ、ラ・フォルナリーナを伴って回廊装飾のための絵を準備するラファエロ」は遠景もさることながら、室内装飾やたくさん描き込まれたラファエロへのオマージュが見もの。「チャイルド・ハロルドの巡礼 - イタリア」、「レグルス」と並ぶのは圧巻。

グランドツアーと戦争を経て更に変容していくターナーの絵には呼吸を忘れてしまいそうでした。「ヴェネツィア、嘆きの橋」、、そして友人である画家デイヴィット・ウィルキーの葬儀を元に描かれた「平和 - 水葬」。この作品と対の「戦争 - 流刑者とあお貝」が並んだ一角は立ち去りがたかったです。


興味深かったのはターナーが200年も前に移動したその距離の凄さ。いくら交通が発達してきた時代の事とはいえ、よほどの情熱があって身体が丈夫じゃないとキツいよなぁ、と。旅に持参したスケッチブック画具なども展示されていたのもしげしげと眺めてしまいました。あんな小さなスケッチブックにみっちり描いていたのですねぇ。

割とささーっと見てしまったのが、感想(とも言えないメモ書き)に表れていますなぁ、我ながら。物販もいろいろありましたが、私はポストカードのみ。


ターナー展
2014/01/11-04/06 神戸市博物館
09:30-17:30 (土日は19:00まで) 月曜休館

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