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2014/03/16

「シャガール展」

静岡市美術館で開催中の「シャガール展」行ってきました。今回はパリ・オペラ座ガルニエ宮の天井画やフランス各地の教会のステンドグラス、メトロポリタン歌劇場の壁画など、シャガールが手掛けたモニュメントの下絵などを中心に紹介するもの。昨年6月末の札幌を皮切りに、仙台、広島、静岡そして名古屋と巡回するのですが、また東京には来なーい。ということで行ってきましたですよ。もうシャガールお腹いっぱい……って思うんだけど、ガルニエ宮の天井画って聞いたら行かない訳には。

遠征にあたっては静岡か名古屋のいずれかへと決めていて、常設も絡めて面白いものが見られるハズの愛知県美に行くつもりで予定を組みつつあったのですが、結局は他との兼ね合いで静岡市美へ。静岡市美も駅から近いし綺麗だし、見やすくてよい美術館ですよね。東京から余裕で日帰りできるし。


chag.jpg


構成は以下の通り。
第1章: 祝祭の空間 - 色彩の交響
第2章: 精神の光 - 祈りの造形
第3章: 南仏での安息 - 晩年の境地


ワタシ的ハイライトは第1章冒頭に(笑)。章題の「祝祭の空間」とは正にあのガルニエ宮のシャガール天井画の下に拡がる空間そのものだろうと。展示はまずガルニエ宮天井画の各段階の下絵が並び、メトロポリタン歌劇場壁画の下絵もあり。ガルニエ宮の天井画にはオペラやバレエ作品をテーマにした絵がぐるりと並んでいるので、その1つ1つを描いたものもあれば、全体の最終下絵もあり、という感じ。

オフィシャルサイトにあるような、制作中のシャガールの様子が分かるものも見られるのかなーと思っていたけれど、それは見当たらず。どうやって天井画のような大きいモノを手掛けるのかも写真(あれば映像)や解説も見たかった…。


シャガールは、この天井画の完成を記念してパリ・オペラ座の依頼により、バレエ「ダフニスとクロエ」の美術を手掛ける事になり、それらの衣装や装置のデザインもズラリ。さらには実際の衣装もパリ・オペラ座から来ていて、展示されていました。バレエの目線だとどうしても布製のマネキンのポジションの甘いのが気になったりしましたが(笑)女性をサポートしている男性マネキンのポーズは素晴らしかったわw

更には、実際にその衣装で上演されたパリ・オペラ座バレエ学校の学校公演映像(ダイジェスト)も流れていて眼福。あの男性ダンサーはマチアス・エイマンかなぁ。近年も上演されているのは流石。バレエ団公演の写真も挿入されていて、あれはヤン・サイズだったような……映像にはダンサーのクレジットはありませんでしたが、これ見るのも楽しみの1つだったので満足でした。

シャガールの「ダフニスとクロエ」といえば版画の方が先に思い浮かぶ位ですけれど、あの版画はこのバレエ美術を手掛けた後に制作されたものだとか。へー、そうだったんだ。今回はその版画集から6点(北海道立近代美術館の所蔵品)が展示されていました。

他にも「火の鳥」や「魔笛」などのデザイン画もあり、シャガールが舞台芸術のごく近くにいた芸術家である事が示されていたように思います。1枚の紙の上で、何種類もの画材を使ったりコラージュしたり、というその表現手法も楽しい。あのデザイン画から実際のデザインを起こす人は大変だったに違いないと思いますが(笑)、ホントにありとあらゆる試みをする人だったのだなぁ、と。芸術家の試みがある程度見てとれる下絵やデザイン画などは面白いですよねぇ、近くに寄ってマジマジ見ちゃいました。


第2章は宗教建築の為のステンドグラスや下絵など。メッス大聖堂内薔薇窓のステンドグラスが来ていたのですが、あれはよかったわー。シャガールと宗教観は切り離せないものだけど、建築の為の下絵というのが新鮮。それと今回とても興味深かったのが、版画の原版と実際に刷られたものとが展示されていたこと。刷りの違いは見る機会はあっても、原版はなかなか見る機会がないですものねぇ。見比べる事ができてお勉強になりました。

シャガールが手掛けた教会のステンドグラスは、ぜひ一度この目で見てみたいです。けっこういろんなところの教会で手掛けているのですね。

第3章は晩年に手掛けたモニュメントの下絵あり、陶芸やレリーフ、タピスリーなどあり。1枚の紙の上で様々に試みるだけでは飽き足らず、、、ですね。2色のガラスを合わせてエッチングを施したものとか、陶芸もありとあらゆる事を試しているようで、キャプションの技法・材質がてんこもりの記述になっているのを見る度にニヤニヤしてしまうのでした。タピスリーは以前にも見た事があったものだと思うけれど、他の表現手法を使ったものと併せて見ることで、表現のとてつもない幅広さが実感としてつかめる面白さがありました。


映像コーナーがまた素晴らしかったです。メインの大スクリーンの他に、メインの左右と天井にサブスクリーンがあり、それらをめいっぱい使ってシャガールが制作したモニュメントの数々が大写しになっていくのです。例えばガルニエ宮。正面の大スクリーンにガルニエの赤い緞帳が映されて天井スクリーンにはシャガールの天井画……と正にオペラハウスの平土間にいるかのような空間を作っていました。ステンドグラスや壁画なども大写しにしていくので、下絵や写真などとは違う迫力と色彩の美しさに酔いしれてしまいました。上見たり横見たりで忙しいですが(笑)そう長い時間でもないので、美術展に足を運ばれるのであれば、是非ともご覧になることをお勧めします。


図録は重すぎて購入断念。欲しくなったら通販することにします。ポストカードだけ何枚か買いました。今まで定形外のポストカードには手を出さなかったのですが、とうとう禁をおかしてしまいました。だってガルニエ宮天井画……(正方形のポストカード)どうしよう、どうやってファイルしよう。


シャガール展
2014/01/02-03/30 静岡市美術館
2014/04/17-06/08 愛知県美術館

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