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2014/01/15

「ルノワール礼讃 ルノワールと20世紀の画家たち」ポーラ美術館

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ポーラ美術館で「ルノワール礼讃 ルノワールと20世紀の画家たち」展を見てきました。ポーラ美術館が所有するルノワールの油画13点、彫刻1点(と自筆書簡1点)を4つのセクションに分けて、ルノワールに影響を受けた同時代の芸術家たちの作品(これらもぜーんぶ同館のコレクション)と合わせて展示する、というもの。

4つのセクションとは、
「花」
「女性像」
「裸婦」
「南フランスと地中海」

テーマごとにルノワール作品も数作品ずつに分けて展示されているので「ルノワールこれでもか」感はさほど強烈ではなかったものの(画風の柔らかさのせいもあるかしら)、所蔵品の豪華さ、コレクションの厚みに舌を巻いておりました(いつもの事ながら)。もう何度も訪れている館ですが、毎回「これ初めて見た−」がたくさんです。


ポーラ美術館所蔵品の中でも好きな作品五指に入る(たぶん)大好きな「アネモネ」から始まる展示は、ゆったりと鑑賞できて満足度高し。ルノワールといえば女性であり裸婦であり……だけれど、花の絵もよい絵が多いですよね。

マティス、ヴァン・ドンゲン、キスリング、ピカソ、デュフィ……(と日本人画家ももちろん)などが並んでいまして、ウハウハでした。それぞれ個性的な画家なのに、ルノワールというガイドラインをつーっと引いたらあら不思議、そこにルノワールへの尊敬や受けた影響などが見えてくるよう。

先に書きましたが、ホントに「えーこんなの持ってたの?」が冒頭から並んでおりまして、膝から崩れ落ちそうに(笑)。ヴァン・ドンゲン、キスリング、デュフィと並んだ壁は、私には大層強い磁力が働いておりまして、その前から動くのは辛かったです〜。4面の大作、デュフィの「パリ」の美しさ。


一つとても印象に残ったのは「女性像」のセクションにあったヴァン・ドンゲンの「灰色の服の女」(1911年)。ヴァン・ドンゲンが描く女性の絵にはどこか不幸そうな印象があるのですが、この絵の女性はぱっと明るく幸せそうな表情に目がいきます。顔以外(服と帽子、背景)はグレーの濃淡だから、余計に。そのお顔にルノワールのガイドラインは、凄く納得がいくなぁ、と。

そして、今回の収穫は満谷国四郎でした。無知すぎて何も知らなかったのですが、頭に刻みつけました。これからは見る機会を逃さないようにします。何が好き、どこが好きかは、語彙と知識不足で今のところまだ私にもよくわかりません。「裸婦」のセクションにあった「」を見て「あ、好きだわー」と名前を覚え、「南フランスと地中海」セクションで「樹下裸婦」を気に入って名前を見たら同じ人だった、のですから、好きになる理由があるハズ。。。


地下一階のルノワール展を堪能した後は、地下二階へ降りて特集展示へ。いつもは「名品展」的な展示の事が多い地下二階ですが、今回の特集展示は企画展の方に勝るとも劣らない面白さでした!「いろどる線」と「かたどる色」 ドガのパステル、シャガールの水彩、マティスの『ジャズ』、と題された特集、お勧めです。

展示室に入るとまず「見るガイドブック」が用意されているので、これは絶対にゲットすべし。特集展示の作品リストも掲載されています(ポーラ美は普段作品リストを置かないところなので、これをきっかけに是非とも全展示室の作品リストを常備していただきたいです。最低でも、webに掲載してほしい…)。顔料と媒材の違いでどんな画材になり、発色や特徴はどうなのか、というところから始まるのが楽しいし、お勉強にもなります。

まずはマティスが女性を描いた絵で、パステル/インク/油画の3種類を見比べる楽しいイントロダクション。そしてドガのパステルが9点どどん!バレエのも、そうでないものも。パステルは「行けば必ず会える」ものではないので、これは予想外の喜びでした。

ドガに続いて、マネ1点とルドン2点のパステル。マネは晩年に体調を崩してから楽に描けるパステルへと移行したそうなのですが、今回展示されていたマネ「ベンチにて」というパステル画は油画用のキャンバスに描かれた為に画材があまり定着していないために、壁に掛ける事ができないのだそうです。それでガラスケースに入れて見下ろすようになっていたのですが、これが!これが!至近距離で見られて良かったです。どんな風に描かれているかが、じっくり見られる。背景や服は比較的大雑把ですが、女性の肌はとても入念に描いているのです。次にいつ見られるか判らないなーと思って、じっくり堪能してきました。私にとっては、この絵が当日ポーラ美で見たもののハイライトだったかも。

水彩のコーナーでは、まずシニャックの油彩水彩の見比べから。デュフィのグワッシュやシャガールの作品たちが色鮮やかに並んでいてにっこりしました。デュフィの「食道楽 Gastronomy」、ようやくこの目で見られて嬉しかったわ!そして最後にはマティスの「ジャズ」。色が踊っておりました。

あはは、出品リストがあるだけで、これだけ詳細に思い出せるという証しになりそうな長文でしたw ルノワール展の図録も買ったので出品リストは手元にあるのですが、面白かったのは特集展示なのですよねぇ、私にとっては。


絵画の最後のお部屋は日本画とフジタ。日本画の最初にあった赤い花が花瓶に生けられたのを描いた絵がとても気に入ったのだけど、画家の名前すら忘れてしまって大後悔……。フジタは「姉妹」「誕生日」と小さな職人たちシリーズから何点かが並んでおりました。

いつも器や化粧道具が展示されている最後の2室は「ポーラ美術館ガラス工芸名作選」という事で、たぶん前回来た時と一緒のところが多かったかも?もしかしたら、雪を題材にしたガラス器は季節柄だったのかもしれない…(いや、でも前回このあたりがどうだったか記憶がない)。


それにしてもポーラ美術館の所蔵品って「きれい」なものがとても多くて、それがまた好きなのだなーと今回しみじみと。帰り道は山を下りるまで雪が舞っておりましたが、充実の日帰り旅行でした。12月から4月初旬までの会期って、美術館手前の細い坂道の路面状況を考えるとタイミングがとても難しい気がするのですが、行けてよかったです。美術館の周りは真っ白でした!


ルノワール礼讃 ルノワールと20世紀の画家たち
ポーラ美術館
2013/12/01 - 2014/04/06

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