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2013/12/05

東京富士美術館「光の賛歌 印象派展 パリ、セーヌ、ノルマンディの水辺をたどる旅」

これも一ヶ月近く前。東京富士美術館「光の賛歌 印象派展 パリ、セーヌ、ノルマンディの水辺をたどる旅」に行ってきました。改装中だった本館もこの美術展で再オープン。土曜日の午後遅めの時間でしたが、この美術館としてはびっくりする位混んでおりましたよ(って特別展開催中に来たの初めてなので今までの特別展と比較はできませんが、とにかく混んでました)。しかも土曜日は小中学生入場無料なんですってね。確かに多かったです、小学生。


fuji.jpg


構成は以下の通り。
序章 印象派の先駆者たち - 近代風景画の地下水脈
- 東京富士美術館コレクションより
第1章 セーヌ河畔の憩い - パリ近郊の川辺を描く画家たち
第2章 ノルマンディ海岸の陽光 - 海辺を描く画家たち


海外の美術館から印象派の作品が集結し、ボストン美術館からはルノワールの「ブージヴァルのダンス」がやってくる!ということでいそいそと出かけてきました。チラシやサイトでのそれ以上の情報はちゃんと読んでなかったのですが(笑)、印象派の中でも水辺を描いた風景画展、というのが正確でしょうかね。ルノワール「ブージヴァルのダンス」がこの美術展の目玉なのは間違いないにしても、風景画たちの中にあっては、そこだけ別世界といいますか。この絵だけ独立したコーナーにあるので、それはそれで空気が変わって悪くない、のですけども。(でも、ここまで風景画ばかりだと思ってなかったからびっくりした・笑)

常設展示のオールドマスターから印象派へという流れの後に企画展。時代を辿りつつ印象派に辿り付けるこの構成は凄くいいなーと思いました。常設に掛かっている絵もいつもより気合いが入っているような、、という印象。少なくとも私はここでブーシェが3枚並んでいるのを見たのは初めてだった気がします(単なるタイミングの問題かも)。

企画展最初の部屋ではクールベ「エトルタ海岸、夕日」(新潟県立近代美術館)以外は富士美術館の所蔵品で、そのコレクションが際立つ点でも効果的だったのではないかと。


で、次は本館へと移動…する訳ですが、その前に常設の残りの部屋では特集展示として「生誕100年記念 キャパ・ビンテージコレクション」を見る事ができました。撮影後すぐにプリントしたものをビンテージ・プリントと言うそうですが、プリントの裏側も見られる展示もあったりして、この部屋にいる間は印象派の事はすっかりどこかに飛んでいってしまいましたですよ。現在は後期展示で、前期とは全て入れ替えになっているそうです。


さ、では本館へ。ここから本格的に特別展の様相。最初の部屋には、これでもかとシスレーが並んでいて、セーヌ河畔の様々な表情を描いたものが集められていました。シスレーに対しては特に何か贔屓がある訳ではなかったのですが、まとめった形で見ると印象変わってきますね。フィラデルフィア美術館からの「ロワン川の岸辺」が好みでした。

全体ではモネの点数が圧倒的に多く、いろいろな場所いろいろな時代に描かれたのがあって面白いのですが、中でも現在知られる一番最初の作品であるという「ルエルの眺め」(1958年)の筆致には驚き。これ、日本にあるのですねー(丸沼芸術の森<埼玉県立近代美術館に委託>)。モネを写生に誘い出したというブーダンがそれと近い時期に描いた似たような場所の絵というのも興味深く(これも同館所蔵/委託)。

モネといえば「睡蓮」ですけれど、ここには富士美術館の睡蓮とサン=テティエンヌ近代美術館の睡蓮、それとバイエラー財団の「日本の橋」がありました。バイエラー財団の別の「睡蓮」はウィーンで見た事があったので、違うのが見られてラッキー。ちなみに、巡回先の福岡と京都では、これらに加えてブリヂストン美術館の「睡蓮」も並ぶそうですよ。その絵自体は何度も見てるからよいのだけど、別の美術館のコレクションと並べて見る機会はそうそうないからねぇ…。ちと残念。

セーヌ河ぞいの地域を描いた様々な絵が並んだ第1部以上に面白かったのが、第2部の海、それもエトルタの海岸。特徴的な「アヴァルの門」などが描かれた絵画がずらっと並ぶのは「そうそう、一度こうして見てみたかったのよねー」とニヤリ。

また、富士美術館のカイユボットはブリヂストン美術館の方にお出掛けしていて留守なのですが(福岡以降はお出ましになるそう)、同じ場所を別の角度から描いたカイユボットの「トゥルーヴィルのレガッタ」がトリード美術館から来ていました。うむむ、これも並べて見たいのう…。


そんな感じで(駆け足…)、最後のオランジュリーからのセザンヌまで、みっちりと堪能しました。風景画はストーリーが感じられずに飽きたりもするのですが、地域が比較的限定されていて題材として有名な場所ばかりだったせいか(描かれた場所には行ったことがないにも関わらず)面白く見る事ができました。

今回はシスレーだけでなく、ブーダンやピサロもまとめて見たせいか興味が出てきました。今までもけっこう見ているハズなんですが…この1枚っていうのには出会えていないものの、やっぱりある程度まとめて見た方が面白いものですね。

会場は人が多くてちょっとせわしない点はあったのですが、この美術展がもし都心で開催されていたら行列必至だったでしょうから、それを思えば…ね。アクセスがちょっと大変なのと、母体の事で二の足を踏まれる方も多いかもですが、モネとシスレーが好きなら行くべし、かと。福岡か京都に遠征する手もありますが、それぞれの会場1カ所しか出ない絵もありますし、、悩ましいです。

なお、私たちが行った時は出品リストが見当たらなかったのですが、特別展とキャパについてはサイトにPDFが置いてあります。いつも会場に置いてある常設の出品リストは出払ってたのかなかったのか…。サイトでも現在展示中の作品を見る事はできるのですが、PDFはないんだよねー。それだけが残念。


東京富士美術館の展示は1月5日まで。その後、福岡市博物館(14/01/15-03/02)と京都文化博物館(14/03/11-05/11)と巡回します。

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