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2013/12/04

ブリヂストン美術館「ギュスターヴ・カイユボット 都市の印象派」展

これも1ヶ月くらい前ですが、ブリヂストン美術館で「ギュスターヴ・カイユボット 都市の印象派」展を見てきました。カイユボットといえば印象派の画家たちを買い支えたパトロンとしての面と、画家としての面とがあるのですが、じゃあ描いた絵はっていうとテレビの美術番組でしか見た事なかったのですよね。このブリヂストン美術館が近年収蔵した「ピアノを弾く若い男」がたぶん初めて見たカイユボットだもん。その絵の印象がとても好もしかったので、今回の美術展をとても楽しみにしていました。


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構成は以下の通り。
1. 自画像
2. 室内、肖像画
3. 近代都市 パリの風景
4. イエール、ノルマンディー、プティ・ジュヌヴィリエ
5. 静物画
6. マルシャル・カイユボットの写真


感想は大きく2つ。1つめは「カイユボットってホント金持ちだったのねー、羨ましいわ−」って事。その道楽っぷりは羨ましくもねたましくも(笑)ありましたが、この人の資産に印象派の画家たちは助けられたのだし、オルセーにまとまった数の印象派コレクションがあるのもこの人のおかげ……そう思えば感謝の念もわいてこようというものです(鑑賞中は、呆れる位の金持ちだわーとしか思ってませんでしたけど)。

そしてもう1つが、とても写真的な視点で絵を描いた人だという事。そのためか古びない印象を受けますし、好きな構図の絵がたくさんありました。写真撮る方はそんなところも興味深く見られるのではないかしらね。カイユボット展の公認ブログも写真家さんが書かれていて、とても興味深いですよ。館内の展示の様子も分かるので、ぜひぜひご覧あれ。

絵の感じも、上品だし綺麗なんですよね。室内の絵はどれも裕福な暮らしを反映した調度品だし、自然を描いたかと思えば広大な自分ちの別荘や遊びに出かけた土地でのことだったり。前者では「ピアノを弾く若い男」のピアノや、「昼食」で描かれた黒いテーブルやガラスの食器に映る光の描写は印象に残ります。後者で面白かったのは、モネを意識したと思われるアルジャントゥイユ辺りの風景画。それでも選ぶ色はやっぱり濁りがなくて綺麗だなーと。


メインビジュアルに使われている「ヨーロッパ橋」はサン・ラザール駅の陸橋を描いたもの。画面の奥に続く鉄橋と、手前にいる犬の後ろ姿がとても印象的です。急遽出展が決まった「ヨーロッパ橋にて」(11/10までで展示終了)と並べて見られたのは幸いでした。

気に入ったのは、「見下ろした大通り Boulevard vu d'en haut」。これ、オペラ座の裏にあるアパルトマンに住んでいた時に描いたものなんですって。そしてもう1つのビジュアルイメージとして使われている「ペリソワール perissoires」、「向日葵、プティ・ジュヌヴィリエの庭 Les soleiles, jardin du Petit Gennevilliers」、そして「キンレンカ Capucines」。

花の絵が好きなのは個人的嗜好でそーなってしまうのですが、パリの街角を描いた絵などもかなり好きでした。とても満足度高し、な美術展です。

ギュスターヴ・カイユボットが描いた絵の他に、弟のマルシャル・カイユボットが撮った写真もたくさん紹介されておりました。この弟も兄とつるんで道楽をしていた方のようで、結婚してから住んだ場所がスクリブ通り9番地…まったくこの兄弟ときたら。しかし、そのおかげで、その当時のパリ・オペラ座界隈の写真も多く見られたのは幸いでした。


カイユボット展は12月29日まで。「ピアノを弾く若い男」のそばには、作品に描かれたのとほぼ同年代のエラール社製ピアノも展示されていますし、パリの地図とタッチパネルを連動したものなど楽しい試みも。巡回はないそうですので、ぜひぜひこの機会に。

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