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2013/12/03

パナソニック汐留ミュージアム「モローとルオー 聖なるものの継承と変容」展

既に1ヶ月ほど前の話になりますが、パナソニック汐留ミュージアム「モローとルオー 聖なるものの継承と変容」展に先日行ってきました。この美術館の開館10周年記念展。そうかー、汐留の再開発からもう10年が経つのですね。

リニューアルの為に閉館中のパリのモロー美術館からも作品がいろいろ来ていました。一番モローっぽいのは美術展のヴィジュアルにも使われている「ユピテルとセメレ」かな。同題のモローの代表作の方ではないけど、そちらとはまた違った静かな迫力がありました。


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構成は以下の通り。
1. ギュスターヴ・モローのアトリエ
2. 裸体表現
3. モローとルオーの往復書簡
4. 聖なる表現
5. マティエールと色彩
6. 特別セクション 幻想と夢


師弟関係にあったモローとルオーの作品や相手への書簡を並べ、互いの創作への影響や深い信頼関係とを明らかにしているのですが、このお手紙がなかなか胸に響くのでした。ルオーは、大好きなモローのお弟子さんだから元々気になる人ではあったのだけど、今回師匠との対比で見る事で今まで見過ごしていた面がぐっと目に入った気がしました。特にあの独自すぎると思っていた絵の質感が、意外にもモローのそれとよく似ていたり…。

モローといえば油彩でも水彩でも緻密に描き込まれた絵を思い浮かべるけれど、パレットナイフで荒々しく絵の具をなすりつけ削り取ったような「ヘレネ」には釘付けになりました。凄かったよ。そして「パルクと死の天使」。これは本当に好きだった。隣りに並んでいたルオーの「我らがジャンヌ」と一緒に見られるのがよいですね。モローなら神話絵/宗教画って思っていたけども、そうではない、何を描いたか分からないような下絵にも凄い念とかパワーを感じたのでした。

日経の紹介記事が、画像が見やすかったのでリンクしておきます。
「モローとルオー」展 高めあう師弟 心の交感|日本経済新聞


それと、特筆しておきたいのは会場内でパナの4Kテレビに映し出されていたパリのモロー美術館内を撮影した映像。これを見てオットも「これは次は絶対行きたい」と言ってくれまして。でしょー!!!って(笑)しかし4K映像綺麗でした。びっくりしたわ。

図録、amazonでも買えるようでした。見に行ってから、時間ができるとこの図録を読んでいるのですが、それによればモロー美術館の運営にはモローの弟子が多数参加していたようで。ルオーが初代館長なのは有名ですが(そしてアンリ・ル・シダネルの妹さんと結婚されていたのね〜知らなかった)、献身においてはデヴァリエールもナカナカ熱かったようですね。一時美術館の運営を巡ってデヴァリエールとルオーが緊張関係にあったなどと知ってしまっては、弟子たちのそれぞれの人生も気になってきます。デヴァリエールは作風的にも一番モローに近い象徴派の括りに入れられる人で好きな絵もいくつもあるのですが、俄然その人物像に興味が出てきました(笑)。

モローとルオー: 聖なるものの継承と変容
モローとルオー: 聖なるものの継承と変容"


汐留での展示は12月10日(火)まで。その後、松本市美術館に巡回します(12/20-2014/03/23)。そしてその後は、リニューアル後のパリはギュスターヴ・モロー美術館にも巡回するとのこと。行けたら松本にも見に行きたいなぁ、と思っているところ。


あ、そうだ書き忘れてた。岐阜美の「ピエタ」と「聖セバスティアヌスと天使」も来ていました。「ピエタ」は6月に富山で見て以来なのですが、会場(と照明)が違うとこんなに印象が変わるのか、と。汐留はパナが誇る最新の照明ですから、絵を邪魔する事は絶対にありません(ということをこの絵の前で初めて気付いた位に、邪魔しないw)。でも富山の展示には今回よりも神々しさがあったんだよねー。あれはいい経験だったと今でも思います。「聖セバスティアヌス」は去年の夏以来だったから、嬉しかったわ。そして岐阜美のコレクションの筋の良さに改めて感心もしたのでした。

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