FC2ブログ
2013/07/14

「ルーベンス - 栄光のアントワープ工房と原点のイタリア」新潟県立近代美術館

東京で行き損ねたルーベンス展、ちょうど開館20周年の節目の年を迎えたという長岡で見てきました(笑)。東京展の会場は私、苦手でね…いつも混んでて客筋も微妙というか。それでつい、どこか別のところで見たいなぁと思ってしまうのですわ。

初日の11時頃に入りまして、そこそこの人はいるものの(版画など細かいところはそれなりに詰まってもいましたが)快適に見られました。東京以外の場所で見る最大のメリットかも。タクシーの運転手さんがおっしゃるには、ここで開催する大規模展は最初の数日が狙い目なんですって。あとはけっこう混んできますよ、とおっしゃってました。うん、覚えておこう。

構成は以下の通り。

イタリア美術からの着想
ルーベンスとアントワープの工房
ルーベンスと版画制作
工房の画家たち
専門画家たちとの共同作業


Rubens.jpg


えーっと、それでルーベンス。タイトル通り、イタリアからの着想と工房との仕事ぶりなどを紹介するものでした。私はルーベンスだと肖像画と神話絵が好きなのですが、その点でも割と満足行く展示。東京では展示されていたという国立西洋美術館所蔵「眠る二人の子供」はありませんでしたが、あれは西美で見られるからいいもんねー。

美術展の目玉は初来日の(上のチラシに使われている)「ロムルスとレムスの発見」。なのですが、個人的には「アポロとダフネ」「プシュケと眠るクピド」「パンとシュリンクス」などの知ってるお話(かつ他の画家が同じ題材で描いた絵も記憶にある)の方が興味深く。宗教画でも同じで、「マグダラのマリア」や「スザンナと長老たち」、ユディット、そしてキリストにまつわる話のあれこれの方が興味を持って見られます。

板に描かれたものもけっこう多かった印象。「アポロとダフネ」なんかは、ダフネの指先が既に月桂樹に変わりかけているところの絵なので、それが木目が見える板に描かれているのが独特の味わいに。


ルーベンス原画を他の人が版画にした章のところはみっしり人が詰まっていました。これは作品の性格上仕方無いなーとも思うのですが…もう少し展示方法は工夫してほしいかも。なるべく角は使わないように作品展示してほしいわ…。横の人の死角になっちゃって見えないんですよね、そこまで後ろの人に気を掛けてポジション取る人も少ないし。

工房の弟子たちの絵があったのもよかったです。個人的にはもっと見たかった位だけど、ルーベンス展と名乗っているからにはそうも行かないでしょうね。ヴァン・ダイクは「悔恨のマグダラのマリア」がありました。弟子時代、まだ20歳前後の作品だなんて恐れ入るわー。大粒の涙を流すマリアの顔が、何となくヴァン・ダイクの顔(つか本人の描く自画像)に似ている気がしました。


ルーベンスといえばフランダースの犬を思い浮かべる人が多いと思いますが、流石にあの絵は来ません(笑)。モノクロのコピーが参考資料として貼ってあった気がする。それと、出口あたりにパトラッシュ基金の募金箱として、パトラッシュがいましたよ。ショップにはそっち系のグッズもありました。

…ってだいぶ流しているの分かります?(笑)。長岡まで行っておきながら、だいぶ時間が経過してしまったこともあり(そしてドンピシャのツボという訳でもない…)実は既に記憶が薄ーくなってきております。図録もポストカードも買わなかったしね…


でもでも!実はこちらの美術館、常設がすんばらしかったのでした。夫婦共に「常設よかったよねぇ」と意見が一致。20周年のコレクション展という事で、こちらも気合いが入っているのでしょうか。

西洋画の部屋には、象徴派展で見たミレイ「アリス・グレイの肖像」。コロー「ビブリ」もよかったし、ランソン、ドニと好みどころが続くのでした。日本洋画の部屋には佐伯雄三「広告塔」に藤田「私の夢」…よい絵が多いです。普段スルーしがちな日本画もパワーのびしびし伝わる作品ばかり。

極めつけは西洋版画。まだ版画見るかって感じですが。ドニさんの「アムール」はどっか別のところでも見た気がするけども、ボナール、ヴュイヤールと続く繊細なカラーリトグラフにため息ばかり。デューラーの黙示録、ジャック・カロ「使徒たちの殉教」、ケーテ・コルヴィッツ「戦争」と重量級もあって、ずっしりどっぷり堪能。うっかりするとルーベンス吹っ飛ぶ程に楽しんでしまいました。はは。
よき美術館でございました。


「ルーベンス - 栄光のアントワープ工房と原点のイタリア」
2013/06/29-08/11 新潟県立近代美術館

コメント

非公開コメント