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2013/06/10

日比谷図書文化館「フジタ 本の仕事」

フジタづいている最近。日比谷図書文化館の特別展「藤田嗣治 本のしごと 日本での装幀を中心に」を見てきました。日比谷図書文化館を訪問したのは初めてだったのですが、なんだ日比谷野音のお隣の三角形の建物がそうだったの〜。昔に何度も前を通っていたわ…。以前は都立の図書館だったのが、今は千代田区に移管されているそうです。

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中に入ると特別展用の券売機が設置されていました。QRコードがついたレシートが出てきて、それを入口のゲートにかざす仕組み。学生料金など一般料金以外の人は受付でチケットを買い求めるようになっていて、私もみゅーぽんを使ったので受付で。元の観覧料が300円なのに100円引の200円!申し訳ないようなありがたさです。しかも図録がわりの小冊子を無料でいただけます。これでコインロッカーがあれば言う事なしなのですけども(身軽に鑑賞したい派)。

構成は以下の通り。
フランス時代 - 記憶の中の日本 -
日本の文学者たちとの交友 - 洋行文士たちを中心に -
戦前の雑誌の仕事 -婦人雑誌を中心に -
詩人たちとの交友
麹町区六番町の家とアトリエ - 写真家土門拳の写した藤田嗣治 -
戦中・戦後の仕事
自著本と作品集
ふたたびフランスへ - 戦後の豪華装幀本


1階の一部を使っての展示なので、そうボリュームがあるわけではありません。が、フジタの装幀のお仕事は何度見ても興味深い。昨年松濤美術館と北海道立近代美術館で開催されたフジタとエコール・ド・パリの装幀についての美術展とも重なるところがあったけれど、日本での仕事を補完するような形…かな。

戦前の女性雑誌、「婦人の友」や「ホーム・ライフ」「スタイル」などの表紙を飾ったフジタのイラストがずらりと並んでいたのは圧巻。当時の女性たちはフジタのイラストからパリへの憧れをつのらせていったのだろうな、と。静美フジタ展で、フジタが最初のパリ行きの際に洋裁好きの奥様の為にパリのファッション誌を送ってあげていたという展示があったのですが、フジタ自身がそれらの雑誌に触れていた事も大きなヒントだったでしょうし、そういうパリの空気を雑誌の表紙を手がける事で日本の女性たちに、という想いもあったのかもですね。

「スタイル」という雑誌は宇野千代が創刊したものだそうで、表紙絵はフジタ、題字は千代と同棲していた事もある東郷青児(創刊の頃には別れていたみたいだけど)。東郷青児はちょうど損保ジャパン東郷青児美術館の常設で見たばかり。そうかー、昔読んだ宇野千代本、まだあるかなぁ、、読み返したら新たな気づきがありそう。


文章が主役の装幀や口絵は控えめなものですが、その本の個性を品良く伝えているように感じました。戦中のお仕事も、戦時下だからとスポイルされるのではなく。戦争とフジタについては、どこかでまたじっくり考察されたものを見たいです。

千代田区ゆかり、ということで1937年から渡仏や疎開を挟みつつ7年ほど住んでいた麹町区六番町の住まいとアトリエの紹介も。藤田の疎開中に空襲で焼けてしまい今はもう記念プレートが残るのみのようですが、ここで土門拳が撮影したフジタの写真も何枚か。どてらを着込んで絵を描くところ、マドロスさんのようにぴっちりキメているところ、などと並んで、大きな1人掛けのソファにどっかと座り大型の本を見るフジタ……の胸元で一緒に本をのぞき込む美猫ちゃんの写真に萌えましたです。なんて美人ちゃん。(こちらのチラシPDFで見られます)

そして最後にパリでの豪華装丁本たち。「魅せられたる河」や「しがない職業と少ない稼ぎ」は大好きなので、見られるとあらば(気持ち的には)どこへでも出向きたいくらい。いやーよかったです。じっくりたっぷり堪能させていただきました。


それにしてもココ、よいところですねー。1階にはプロントがやっているブックカフェがあって、しばしまったり休憩。買った本を読む方が多くて静かで落ち着けました。窓の外には日比谷公園の緑だし。かなり疲れてたので上の図書フロアには行かなかったけど、こちらも区民じゃなくても電源と有線LANが使える閲覧席を使えたりするみたい(無線LANは2/3Fで利用可能)。平日は夜8時まで開いているし、会社か住まいが近かったら入り浸りそう(笑)。


藤田嗣治 本のしごと 日本での装幀を中心に
2013/04/04-2013/06/03 日比谷図書文化館(会期終了)

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