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2013/06/08

損保ジャパン東郷青児美術館「オディロン・ルドン 夢の起源展」

損保ジャパン東郷青児美術館で開催中の「オディロン・ルドン 夢の起源」展に行ってきました。みゅーぽんで200円引き。岐阜美術館のルドン・コレクションと、ボルドー美術館からの作品がたんまり。岐阜美のはある程度見た事あるにしても、フランスからは研究的資料も来ているので非常に面白いものになっています。雨の日の午前中ということでゆったりと鑑賞できました。

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構成は以下の通り。
第1部: 幻想のふるさとボルドー - 夢と自然の発券
第2部: 「黒」の画家 - 怪物たちの誕生
第3部: 色彩のファンタジー


第1部はルドンのルーツであるボルドーと彼が最初に師事したスタニスラス・ゴラン、決定的に影響を受けたロドルフ・ブレスダンなどを紹介。ルドンに自然科学への興味を植え付けたというアルマン・クラヴォーの植物学素描なども。この植物を顕微鏡で見て描いたような素描たちは、のちのルドンが描いた一風変わった造形に共通するものがあるのかも。パステルで描く花の絵にしても、ミクロの視線ゆえにあの描き方なのかな、とちょっと腑に落ちたところあり。

余談ですが、ブレスダンに師事する前にはジャン=レオン・ジェロームに師事していたとか。え、ホント!?とびっくりしたけど、やはり合わなくて数ヶ月で辞めてしまったそう。…でしょうねぇ。また、アンリ・ファンタン=ラトゥールから石版画の指導を受けてもいたそうで、まぁイロイロ繋がるものですね、と。

展示にはもちろんジェロームもファンタン=ラトゥールもありませんが、ブレスダンが充実していたのは嬉しい限り。ついつい1枚ずつの鑑賞時間が長引きます。「善きサマリア人」はボルドー美術館のが出ていました。「死の喜劇」ともに以前岐阜美でも見ているのですが、ボルドーから来ている他の作品もまとめて見ると、ユイスマンスやボードレールが賞賛したというのも「そりゃあそうでしょうとも」と。ルドンが同じ頃に制作したエッチングも並べてあって、隅から隅までみっちりのブレスダンと、どこかおぼろげなルドン、という個性も見てとれるようです。

ルドン「宗教的場面:キリストと使徒たち。アラスの礼拝堂装飾のための習作」(ボルドー美)と岐阜美の「守護天使」はとても好きな素描でした。柔らかさと光。


第2部は黒の時代。「夢のなかで」「エドガー・アラン・ポーに」など石版画や木炭画が並びます。見た事あるものも多いのですけど、幻想的な世界に心地よく浸っておりました。「悪の華」の版画集は初めて見た気がしますが、これは好きだったわー。

第2部最後の何枚かのパステルの中に、モローの主題っぽいのが。それを見てハタと気付いたのですが、ルドンのパステル画って色つきの紙を使ったものが多いですね。いや、パステルだけでなく油彩も紙に書いているものが色つきのが多いようでした。それで地の色を残すような色の乗せ方をする。今まであまり気にせず見てたけど…まとめて見たおかげで私にも気づけたわ(笑)。


第3部は岐阜美とボルドー美だけでなく国内の美術館からも集まったルドン。岐阜美と鹿児島市美の「オフィーリア」、岐阜美とボルドー美の「アポロンの戦車」と愛媛県美「アポロンの馬車」がそれぞれ並んでいて、行ったり来たり。ルドンの油画やパステルには、どこか虚ろというかひんやりとしたところがあるように感じるのだけど、それゆえに入りこめない気がするのかしら…と思いながら見てました。

そんな中でボルドー美(オルセーからの寄託)「アーケードのある背景の若い娘の肖像」にはそれを感じなかったのですが、それからすると構図の好みの問題なのかしら、とも。この絵はアーチ型のアーケードと女性の衣装とでルネサンス風というか。未完の作品のようなのですが、右側に配された植物に色が乗っていないのは途中だからなのか意図なのか…。これに色が乗ったら相当気に入る気がするなーという作品でした。

花の絵では、初めて見たボルドー美「ミモザのある花々」の落ち着いた色彩とまとまった構図、図録の表紙にもなっている岐阜美「花」が好きでした。


「オディロン・ルドン 夢の起源」展
2013/04/20-2013/06/23 損保ジャパン東郷青児美術館
2013/06/29-2013/08/25 静岡市美術館
2013/09/03-2013/10/27 岐阜県美術館
2013/11/02-2013/12/23 新潟市美術館


そうそう、ルドン。この後は6/22からブリヂストン美術館[色を見る、色を楽しむ。—ルドンの『夢想』、マティスの『ジャズ』…]というコレクション展で見られます。ルドンとマティスの対比って面白そうですよね。行くつもり。

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