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2013/06/03

名古屋ボストン美術館「アートに生きた女たち」

名古屋に移動しまして、名古屋ボストン美術館で始まったばかりの「アートに生きた女たち」展へ。

こちらの美術館は平日午後7時まで開館していて(入場は30分前まで。土日祝日は午後5時まで)、平日午後5時以降の入場は割引料金が設定されています。今回でいうと一般当日入館料1,200円が午後5時以降だと1,000円に。そちらを利用して鑑賞しました。こういう制度はありがたいですよね。

sisters.jpg

構成は以下の通り。
プロローグ
第一章: 女性芸術家の肖像
第二章: 芸術におけるパートナーシップ
第三章: 女性芸術家と主題
第四章: 女性とデザイン
第五章: 女性と抽象


芸術の世界における女性の創作活動に焦点を当てた展示です。ふだん絵画鑑賞するときにそれを描いたのが男性か女性かは全く意識しませんが、創作する側の女性はあまたの制限の中で創作を続けてきたのだ、、というこの美術展の視線の提供はとても柔らかなものでした。

印象に残った点を簡単にメモ。

18世紀に活躍したヴィジェ=ルブランによる「若い女の肖像(ウォロンゾフ伯爵夫人)」から幕開けした事で、彼女がパイオニアであったことも改めて認識。

エレン・デイ・ヘール「自画像」は、こちらを見据える自信に満ちた表情がシルヴィ・ギエムを思い出させました。ボストンの名家出身だそうで、絵画はウィリアム・モリス・ハントに師事した方なのだとか。

また、ミュシャが描いた女優サラ・ベルナールによるブロンズ像「幻想的なインク壺(スフィンクスとしての自画像)」は、その豊かなインスピレーションによる造形がお見事。


一番興味深く見たのは第2章の「芸術におけるパートナーシップ」。モリゾとマネ、カサットとドガというよく知られた芸術家たちの交流から始まり、スティーグリッツとオキーフをはじめとした幾組かのアメリカ芸術家のパートナーたちの作品を紹介していました。同じ職業である画家など創作活動に理解のある夫と結婚するか、生涯独身を貫いて創作活動に専念するか、、といった女性の作品が(この章に限らず)今回紹介された画家たちうちの大半だったようです。

静物画でありながら、ここまでと思う程に対照的な筆運びのマネとモリゾ。

気になる画家との出会いとしては、サラ・バクストン・ボール・ダッドソンの名前は覚えておこう、と思います。「サセックスのアッシュダウン・フォレストにて」と「揺りかご(降誕)」の2点が並んでいたのですが、後者には打ち震えましたですよ。この主題。webで検索しても英語版すら彼女のwikiはないし作品画像などもあまり出てこないのですが、宗教画神話絵や風景画をいくつか見る事ができました。またどこかで作品に出会える事を願います。


ボストン美術館の所蔵品を紹介するこの美術館の展示では、普段はちょっと縁の薄いアメリカの芸術家たちの作品に出会えるのが楽しい。馴染みがない分ヴィデオ上映が鑑賞のよい手引きになるのですが、こちらのは20分とちょっと時間が長めなんですよね。せめて10-15分くらいにまとまっているといいのになぁ、とも。

欲をいえば、紹介された芸術家たちの作品は大半が1点ずつだったので、もう少しイロイロ見られたらよかったかな、とも。しかし、じゅうぶん堪能致しましたです。


「アートに生きた女たち」名古屋ボストン美術館
2013/05/25-2013/09/29

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