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2012/10/19

「マルク・シャガール - 愛をめぐる追想」

岐阜県美術館で開催中の「マルク・シャガール - 愛をめぐる追想」展を見てきました。岐阜美は象徴派展に続いて2度目。前回は真夏で焦げるほど暑かったけど、今回はそんなこともなくてよかったです。でもお日様ぴかーだったから、敷地内散策できなくて残念。小さなお子さんとお母さんがベンチでお弁当食べたり、大学生カップルがお散歩デートしてたりしていい感じ。

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あ、建物切れてるし。


同じ名前の美術展が(東京では)日本橋高島屋で6月に開催されていたのですが、そちらはジュネーブのコレクターの所蔵品39点と岐阜美の連作版画「サーカス」38点で構成されていたとの事。そのラインナップに国内の美術館や法人で所蔵されている油彩などを加えた美術展、というのが私が見たものになります。(岐阜美の前に岡山県立美術館でも開催)


構成は以下の通り。

1. 村、祭り、音楽
2. 人、動物…重なり合う世界
3. 聖書、結婚の神秘…シャガール芸術における宗教性
4. 恋人たちと花束


遠征で追い掛ける程シャガールが好きという自覚はないのですが(笑)、オペラ座の天井画やバレエ美術を手がけた事があったりする人なので、親しみはありますね。今回は半分はスケジュールの都合、あと半分は所蔵品展を目当てにした訪問ではあったのですが、シャガール相当よかったです。松本で見た「愛の物語」ほど大作が並んでいる訳ではないのですが、良い絵、そして初めて見る絵がたくさん(そしてこちらにもAOKIホールディングス所蔵の絵が何点も)。

残念ながら、版画集「サーカス」(岐阜県美術館蔵)と版画集「ダフニスとクロエ」(徳島県立近代美術館蔵)は前後期で半分ずつの展示、版画集「聖書」(名古屋市美術館蔵)は全105点のうち60点を前後期で半分ずつ、版画集「オデュッセイア」(宇都宮美術館蔵)は全82点のうち岐阜では10点のみの展示。「聖書」は松坂屋美術館の方で「もっと見たい!」と思ったので、それが叶ったとも言えるのですが、もっと見たくなるのが人情というもの。「オデュッセイア」と共に、どこかで全点展示されるのを待つ事にしましょう…。

聖書は黒一色刷りで信仰の力強さや素朴さを感じる連作。「オデュッセイア」はアースカラー中心の色彩が「ダフニス〜」などとは一線を画していて、これもまた心惹かれました。図録は買うつもりなかったのに、「聖書」60点と「オデュッセイア」43点が掲載されていたから買ってしまったわ。

バレエ好きとしては「オペラ座」とそのエスキース(練習作)が見られたのは嬉しかったです。ガルニエ宮と3人のムーサ(芸術を司る女神たち)と愛とを表現したこの絵の完成から10年後に、あの美しいオペラ座の天井画制作の依頼があったそう。

一番印象に残っているのは、1930年の作品「バラ色の肘掛椅子」でしょうか。大きな窓の外に拡がるのはシャガールらしからぬ(と言いたい)風景。室内にはバラ色の肘掛け椅子があって、その横に立てかけられたキャンバスに舞い降りた男女。男性がそのキャンバスに絵を描いている…という正にシャガールと最初の妻ベラの幸せを描いているのでしょう。全体のトーンが柔らかく落ち着いていて、開け放たれた窓から入るひんやりした空気を感じられそうです。


所蔵展の方はエコール・ド・パリ関連と「水のある風景」など。藤田嗣治が4点飾られていたのですが、そのうち「猫」は新収蔵だとか。コレクション展のスペースは人もまばらで、好きなだけじっくり見られて幸せでした。猫のいる絵が3枚と動物たちがいる絵が1枚。面相筆の筆遣いも間近で眺める事ができ、細いけれども力強い筆致に見入りました。

「水のある風景」も楽しみました。鵜飼いを題材にした絵が玉堂・青邨と飾られているのも土地柄ですね。現代美術のコーナーは前回の訪問でも見ているのでスルーしちゃったのですが、いくつか掛け替えがあったみたい。。


岐阜県美術館、とてもいい美術館なのですが、1つだけお願いがあって。ホームページで常設展の出品リストも見られるようにしてほしいのですよね。今回のシャガール展は作品リストがアップされているので事前に確認する事ができてよかったのですが、前回の象徴派展はそれもなかったし、所蔵品展の出品リストもアップされていると(展示替え等確認できるし)訪問計画が立てやすいのに…と。魅力的な所蔵品をお持ちで機会があれば何度でも訪れたい場所なので、ぜひぜひご検討を。あ、そうそう所蔵品検索ができるようになったのは、凄くありがたいです!


「マルク・シャガール - 愛をめぐる追想」
9/05-10/28 岐阜県美術館

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