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2012/10/17

「マルク・シャガール展 - 油彩・版画・タピスリー」

松坂屋美術館で開催中の「マルク・シャガール展 - 油彩・版画・タピスリー -」を見てきました。たぶん、渋谷区立松濤美術館で12月に開催されるものと同じではないかと思うのですが…。松濤美術館なら300円プラス交通費で見られるのだからそちらに行けばよいものを、遠征のスケジュール上名古屋で、ということになりまして。百貨店の美術館は百貨店のお休み以外は無休なのがいいですよね。開館時間も長いし。


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構成は以下の通り。

  1. サーカス
  2. 聖書
  3. タピスリー《平和》
  4. 雄鳥と恋人たち
  5. 花束と人物
  6. 色の分割
  7. 地中海の青

この美術展は、シャガールによる油彩画、版画、そしてシャガールの絵をタピスリーに仕立てたイヴェット・コキール=プランスの作品とを組み合わせたものになっています。コキール=プランスはシャガールの生前には比較的小さなサイズのタピスリーを手がけていたそうなのですが、いつの日か大きいサイズのものを、というのがシャガールの希望でもあり、彼の死後は大きなサイズのものも手がけるようになっていったそう。

いろんな美術展で様々な時代に制作されたタピスリーを見てきましたが、私はこの織物のジャンルはまだ今一つよくわからず…。

この美術展ではシャガールのリトグラフとコキール=プランスのタピスリーが多く出展されていますが、そのうち同じ絵柄のもの10点がセットで展示されているので、見比べる愉しみも。タピスリーの下絵をつくる時、シャガールの絵をそのまま等倍で拡大してもよいものにはならず、多少の「らしさ」をくわえてあげなければダメなのだそうです。このタピスリーの手法も誰かに伝統的なやり方を習うこともままならず(そういう手法が現代に生きていない)独学でマスターされたとか。

糸の色は15色だったか50色だったか忘れましたが(汗)、中間色はそれらの糸を交ぜて(よりなおして)つくるのだそう。会場内の映像コーナーで流れていた映像はとても興味深いものでした。こういった手法に興味を持つのもタピスリーならでは、という気がします。「黒い手袋」はタピスリーの為の下絵とタピスリー完成品が並んでいて、興味深かったです。


例えば版画集「サーカス」のリトグラフはシャガールの代名詞でもあり様々な場所で見られます(今回の遠征でもこのうち1点のリトグラフを、松坂屋美術館を含め3箇所で目にしました)し、上の構成をご覧頂いても判る通り、お馴染みのテーマが並んでいます。それでもジュネーブの個人蔵のものがメインのリトグラフは目新しく、例えば「聖書」のシリーズなどはぜひもっと多く見てみたかったです。とても力強いものでした…。

多くのリトグラフの合間に、AOKIホールディングスから9点+松濤美術館から1点の油彩もあったのですが、やはり油彩の力強さ、存在感は格別。それにしてもAOKIさん、スゴイですよね…今年前半に松本で見た(現在京都に巡回中)のシャガール展にもAOKIホールディングスのコレクションが出ていたし、翌日足を運んだ岐阜美のシャガールにも出てました(なんかこう書くと私シャガールがもの凄く好きみたいですけど、そこまでではないんですよ。ただ興味のある絵が出ているので つい…笑)。

超大作のタピスリー「平和」には圧倒されるものの、シャガールの絵としてハイライトになりうるものはなかったかも…。ただ、私としてはシャガールの絵そのものよりも、タピスリー、あるいは織物について考えるきっかけになった美術展でした。


松坂屋美術館での展示は10月14日で終了。
渋谷区立松濤美術館で2012年12月11日(火)〜2013年1月27日(日)に開催される「シャガールのタピスリー展 二つの才能が織りなすシンフォニー」と、ある程度重なる展示になるのでは…と予想されます。


「マルク・シャガール展 - 油彩・版画・タピスリー」
2012/09/08-10/14 松坂屋美術館

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