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2012/10/16

「シャルダン展 - 静寂の巨匠」

三菱一号館美術館で開催中の「シャルダン展 - 静寂の巨匠」を見てきました。シャルダン…この美術展の事を知るまで、知らない画家でした(笑)。今回が日本で初めてのジャン・シメオン・シャルダンの個展なのだそうです。世界各地から集めてきた38点が展示されています(プラス、三菱一号館美術館のコレクションからシャルダンの影響を受けた画家たちの作品数点&ルドンのグラン・ブーケも)。

38点って少ないよね、と思わなくもないし、実際あのこじんまりとした三菱一号館美術館の展示スペースですら空間余り気味ではあったのですが、38点が日本に集結しただけでもスゴイ事みたいです。現在所在が確認されているシャルダンの作品は238点あるそうですが、個人蔵であったり美術館を代表する作品であったりで貸し出しを受ける事が難しいのだそうです。それに、じっくりと絵と対峙出来るのはこの点数だからこそなのかも。


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構成は以下の通り。

1. 多難な門出と初期静物画
2. 「台所・家具の用具」と最初の注文制作
3. 風俗画-日常生活の場面
4. 静物画への回帰
5. シャルダンの影響を受けた画家たちと《グラン・ブーケ》 三菱一号館美術館のコレクションから


シャルダンの生きた時代は、先に見たリヒテンシュタイン展に出ていた絵に重なる時期もあるのですが、両方見るとシャルダンが他とは大きく異なった存在であることがわかります。静物画にしても風俗画にしても、派手なところがない。絹やサテンやレースではなく、洗いざらしのコットンや麻の印象。

同じ主題で配置や置いた物の違う作品が多くあって、それらを並べて見比べる事ができるのも今回の展示の特徴でしょうか。同じ台所用具や食材を描いたものでも、初期に描かれたものと裕福な妻をめとってからとでは、描かれるもののチョイスにお財布事情が反映しているのも面白いです。

「羽をもつ少女」はウフィッツィ美術館のものと個人蔵のもの2点が来ているのですが、図録によればこの2点が並べて展示されるのは初めてではないかとの事。その違いは一目瞭然。この作品は持ち主の意向だかで図録以外は広告ビジュアルやチラシなどにも使う事ができないそうです。

「食前の祈り」のいとおしい家族の一場面、「カーネーションの花瓶」の控えめだけれどかぐわしい美しさ、様々に登場する果物の絵の瑞々しさ。もちろん、個人蔵で日本初公開の「木いちごの籠」は必見かと。


シャルダンの影響を受けた画家たち、としてミレー、セザンヌ、マルケが1枚ずつ。前回のバーン=ジョーンズ展で「ねむり姫」が展示されていた部屋には、今回ルドンの「グラン・ブーケ」が飾られています。ルドン展には来られなかったのでようやくのご対面だったのですが、言葉をなくす美しさですね。パステルであのサイズ…部屋全体が絵の色彩で包み込まれるような錯覚に陥りました。ルドンによる小さいサイズの花の絵は岐阜美で見たのですが、受け取るものが全然違います。いやちょっとびっくりしました…。


シャルダン展で感心した事の1つがオーディオガイド。三菱一号館美術館館長と担当学芸員のスペシャル解説が入っているのですが、それがとてもよいと思いました。関連イベントなどに足を運べばある程度「開催側の生の声」は聞けるのでしょうけど、なかなか講演聞きにも来られないので。

あと、物販がものすごーっく充実しています。私は迷いに迷ってフェルベールのコンフィチュール(ストロベリー+黒こしょう+ミント味、美味!)を買いました。もちろん他のフレーバーもいろいろありましたし、ミオジャムやゲランドの塩、ルームキャンドルやカトラリー、お菓子などなど。お買い物だけにでもまた行きたいくらい。

三菱一号館美術館では、木・金の18:00-19:30の入館に限り「アフター6割引」として1,000円で入館できます。お得なのでぜひ。ちなみに私はその時間まで待ちきれずに午後5時頃に入館したのですが、逆にこれくらいの時間だとアフ6を待つ方が多いのか、館内は人も少なくて快適に鑑賞できました。って情報も念のため(笑)。


シャルダン展 - 静寂の巨匠
9/08-2013/01/06 三菱一号館美術館
木・金・土10:00〜20:00/火・水・日・祝10:00〜18:00
月曜休館 / 12月29日(土)〜2013年1月1日(火)



シャルダン (新潮美術文庫 15)

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