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2012/10/15

「リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝」展

会期ギリギリだったドビュッシー展に反省して(笑)、国立新美術館で始まったばかりの「リヒテンシュタイン 華麗なる公爵家の秘宝」展に行ってきました。時間帯としては午後3時過ぎくらいだったかな。入ってくる人が途切れる事はないけど、バロック・サロンを抜けた後は空いている絵を探してじっくり鑑賞可能でした。

リヒテンシュタインの美術館はウィーン郊外にあるのですが、2010年にウィーンを訪れた時には「見たいけど時間が取れそうにないなぁ」と諦めたところなのです(この時はクリムトすら全部は回れなかった)。2011年末で一般入場は終了してしまって、団体の申し込みがあった時とか何か特別なイベントの時しか入れなくなってしまったのだそうです…。とても残念に思っていたので、そのごくごく一部とはいえコレクションが見られる!と楽しみにしていたのです。


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構成は以下の通り。

エントランス
バロック・サロン
リヒテンシュタイン侯爵家
名画ギャラリー
- ルネサンス
- イタリア・バロック
- ルーベンス
クンストカンマー:美と技の部屋
名画ギャラリー
- 17世紀フランドル
- 17世紀オランダ
- 18世紀 - 新古典主義の芽生え
- ビーダーマイヤー


こちらの侯爵家さまのお好みはバロック。徹底してます。今回の美術展の目玉は一挙10点がやってきたルーベンスかなと思うし実際見応えがあって素晴らしかったのですが、他にもヴァン・ダイク、レンブラント、フランス・ハルスなど豪華なラインナップ。更には現地での展示方法を取り入れて天井画までがある(!)バロック・サロンが圧巻でした。これを落ち着いて見たいが為に開始早々に足を運んだのですが、想像以上でした。調度品と絵画とが広いスペースを埋め尽くしていて、しばし呆然。いったいどこから見たらいいのか、と。

このバロック・サロンは現地展示に倣ってキャプションもなし。番号だけが付いているので、バロックサロン用の別刷りのリストを見ながら、という形でした。この大きなスペースは見ている人も相当多かったけれど、飾られているものが桁外れなので人の多さもそんなに苦にならない(会期末に近づくにつれて、困難が増すでしょうけど)。

絵画だけでなく調度品、タペストリーに胸像にと並べられているのを1つ1つ見ていると、実はその合間に見える美術館の壁とか天井、床などの味気なさが強調されるような気がしてアンバランスさを感じたりもしたのですが(そりゃあ現地ではお屋敷も見事なバロック建築だそうですから…)、それでも、この展示は天晴れ。大きな空間にあることで、巨大な絵画にしてもタペストリーにしても近くから遠くからと好きに楽しめました。


今まで肖像画にはあまり興味がわかなかった私ですが、この美術展で肖像画にも惹かれるようになってきました。魅力的な絵が多いのです。この美術展の顔にもなっている、ルーベンスが5歳の頃の愛娘を描いた「クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像」の利発で生き生きとした表情。そして、この会場にいるもう1人の愛らしい女の子、アメリンクによる「マリー・フランツィスカ・リヒテンシュタイン侯女 2歳の肖像」。日差しに輝く髪、もっちもちのお顔。体温と寝息が感じられるようです。愛娘のこんな愛らしい絵を描いてくれたアメリンクには、リヒテンシュタイン侯爵は絵の代金をはずんだ事でしょうねー(下世話…w)。この絵は東京だけの展示だそうなのですが、何とも勿体ない!

アメリングもよく知らなかった画家ですが、彼の作品はこの絵を含めて3枚がビーダーマイヤーの部屋にあって、どれも好みでした。「夢に浸って」は若い頃のジュリエット・ビノシュを何となく思い出させるような。黒いレースの繊細さと女性の透き通るような美しさとがたまらなく魅力的です。

ビーダーマイヤーの部屋は全体的に私のツボで一番好きな部屋だったのですが、特に前から去りがたかったのが、アイエツの「復讐の誓い」。衣装の素材感の描写もたまらないし、仮面を外した女性の表情にドキリとさせられました。

それと、ヴィジェ=ルブランによる「虹の女神イリスとしてのカロリーネ・リヒテンシュタイン侯爵夫人(旧姓マンデルシャイト女伯)」も。イリスとして描かれたカロリーネは靴を履いていないのですが、これを見た人たちの困惑や驚きを見たリヒテンシュタイン侯は、カロリーネの靴を絵の下に置いたのですって。肖像画ではありませんが、ヴァルトミュラー「磁器の花瓶の花、燭台、銀器」もたまらなくステキでした。


あとはイタリア・バロックのお部屋からクリストファーノ・アッローリ「ホロフェルネスの首を持つユディット」。いろんな画家の題材に用いられるユディットですが、アッローニのユディットはホロフェルネスを仕留めた直後のようです。美しく女性的な外観を持ちながら、片手に剣、片手にホロフェルネスの首を持つ姿は戦士そのものでもあり、不思議な魅力に溢れていました。

ルーベンス「マルスとレア・シルヴィア」とレンブラント「キューピッドとしゃぼん玉」も忘れがたい。他にもたくさんの印象深い作品があって、本当に充実したよい美術展でした。

実は図録は買わずに気に入った絵のポストカードを数枚買ってきたのですが、帰宅してからじわじわと「やっぱり図録買うべきだったかもー」と後悔中。もう1回見に行きがてら図録買ってこようかしら…と思ったりしているところ。

そうそう、美術館というところは作品保護の為に温度設定が低くなっているところが多いので羽織るもの必須なのですが、ここもかなり室温低く設定されています。しかも国立新美術館は足もとに冷風が当たります。私はいつも通りパンツスタイルでしたが、それでも足もと寒く感じました。お気を付けを!


「リヒテンシュタイン 華麗なる公爵家の秘宝」
10/03-12/23(火曜日休館) 国立新美術館
10:00-18:00(金曜日は20:00まで)
(その後、高知・京都へ巡回)


リヒテンシュタイン物語

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