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2012/03/10

シャガール展いってきました。

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先日思い立って松本まで行ってきました。お目当ては松本市美術館で開催中の「シャガール展 愛の物語」(4月1日まで)。松本のあとは高知、長崎、新潟、京都と巡回するのですが、東京および関東には来ないのです。ロシアのトレチャコフ美術館の所蔵品を軸に、ロシア美術館や日本の美術館からの作品も並んでいます。トレチャコフ美術館のシャガールは2008年にも日本に来ていますが、そちらは見逃している事もあって行ってしまいました。

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とはいえ、私の目当ては最後のコーナーに42枚全てが並ぶ「ダフニスとクロエ」のリトグラフ(うらわ美術館所蔵)でした。以前ポーラ美術館に「ドガ、ダリ、シャガールのバレエ」展をみにいった時に半分は見たのですが(それはたぶんポーラ美術館所蔵品だと思うけど、会期の前後半で半分ずつ入替だったので)、やっぱり全てを順番に見られるのは魅力ですから。東京に比べたらぐっと空いている会場で、(タイミングを見計らいつつ)全ての絵を独り占めしてたっぷり鑑賞できたのは幸せでした。本で見るのもいいけど、大判のリトグラフで見るのはまた違った愉しみですよね。

しかし私を魅了したのは「舞台上の愛 Love on the Stage」でした。シャガールがモスクワ国立ユダヤ劇場の為に描いた大きな壁画の1つで、2008年の時にはこの一連の壁画が目玉の1つだった記憶があるのですが、今回も同じように全7点がユダヤ劇場でそうあったように展示されていました。この「舞台上の愛」は全体が淡い色調の中、男女のダンサーのパ・ド・ドゥの輪郭が、影のように浮かび上がっています。もちろん私がバレエ好きなので余計に親しみを持ったのでしょうけど、なんだか、とても愛しかった。

そして、ポーラ美術館所蔵の「横たわる女、または緑色のスカートの女(ベラ、ムジェーヴにて、新年の後の夕暮れ)」。ポーラ美術館には何度か足を運んでいますが、この絵は初めて見ました。ベラが上半身をあらわにしてベッドに横たわっている絵ですが、その色彩の美しさと溢れるシャガールの愛情がストレートに伝わってきて、その前から離れられなくなりました。シャガールはベラの姿を数え切れない程描いていますが、半裸のものはほとんど例がないそう。

あともう1枚、個人蔵(鹿児島市立美術館寄託)の「恋人たち The Lovers」も本当に切なくて美しい絵でした。花嫁衣装のベラとシャガールが出てくる絵はたくさんあるけれど、この「恋人たち」は月明かり浮かぶ湖でボートに乗る恋人たちの影と、大きな木の中に描かれたベラとシャガールの姿が美しい夜の色に染まっているのです。

この3枚は本当に何度も何度も繰り返し見に戻ってしまいました。至福。平日の昼間だったので館内も空いていて、前に誰もいない絵を選んでいけば好きなだけ独り占め状態で鑑賞できました。ダフクロの半分と、他に5枚くらい(ポーラ、ひろ美、富士)見た事ある絵があったかな。でも、よい出会いがあって幸せな展覧会でした。これで1,000円は安すぎる。

2008年のシャガール展を見た人は、初期の絵とユダヤ劇場の絵を含めて重なっている絵もけっこうあるとは思いますが、ロシア美術館から来ている絵も素晴らしいし、国内各地から集められた絵も見応えありますよ。ダフクロ42枚も圧巻。なーんて、お好きな方は私が勧めなくても見に行かれるでしょうけど(笑)。

松本には展示していなかった絵も10枚ちょっと図録には出ていたので、国内から借りている分については会場によって入れ替えor追加があるのかもしれません。その辺もちょっと気になるところ。


松本市美術館は今年が開館10周年だそうで、大きな展覧会が続くみたいです。今大阪で開催している草間彌生の展示も(彼女の故郷である当地でも)巡回してくるとか。もちろん私が行った時も常設展で草間作品が体験できました。最近の作品はポップさが勝っていますが、若い頃の暗い色彩の作品や「無限の網」連作は重くのしかかってきます。

そして、エントランス前にはこんな作品も!ちょうどメンテナンス期間にあたっていたので、見られないかも…と思っていたのですが(実際、着いた時は足場が組んであった)帰りに見たら、足場を外して後片付けされているところでしたので、写真を撮らせていただいちゃいました。

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巨大すぎて全景収まらず


自販機が↓こんなだったり

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松本市美術館を含めたコースを市内巡回しているスニーカーバスがこんなだったり。

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ああもう、私ったら乗り物撮影下手すぎる


えー、こほん。あとちょっとだけ…お許しを。

常設展は他にもいくつかあって、もう1つ愉しみにしていたのが「田中一光 不朽のポスター」展。なぜ松本で田中一光さん?と思っていたら、この美術館のロゴマークを作られたのが田中さんだったとか。2002年に松本市美術館開館記念ポスターと共に制作されたものの、開館を待たずに亡くなられた…と。懐かしいポスターの数々、洗練された美意識を堪能しました。

せっかくなので全ての常設展示も見てきたのですが、田村一男記念展示室に興味深いものをみつけました。この画家の居間を再現したお部屋の壁に、所狭しと絵が飾られているのですが(友人や後輩画家たちの絵らしい、不勉強でどなたのものかは全くわからず)、一番手前に藤田嗣治からのクリスマスカードや色紙を額装したものが飾られていたのです。あのちょっととぼけた感じの自画像もさらりと。思わずにんまり、でした。


帰りに、ちょっと(かなり、だな)遠回りですが松本城にも寄ってきました。立派なお城ですねー。松美を出た頃はうららかなお天気だったのですが、お城に着いた頃は日もかげってかなり寒くなってきたので、ホントに見てきただけですけども。ま、気軽な日帰り旅行でした。またおもしろそうな企画展があったら行こっと。

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