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2011/08/10

広島旅行記4

楽しい旅も最終日。この日は午後4時の新幹線まで市内散策です。

午前中は原爆ドームと平和記念公園へ。写真や映像では数え切れない程目にしている原爆ドーム、実際に目の当たりにすると全身殴られたような衝撃がありました。今年だから余計にそうなのかもしれません。宮島か伊勢神宮に行きたいと思った理由もそこに繋がるのだと思うし…。

でも大震災は関係なしに、知った気になって40数年ここを訪れなかった事は私の大きな過失かと…。まだ時間が早くて人も少なく静かだったで、余計にビシビシ来るものがあったのかもしれません。周囲の青々とした緑の中に立つ原爆ドームとの対比は戦争と平和、生と死の対比に重なりますね…。

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帰りに、対岸より。


残念ながら時間の都合で広島平和記念資料館には入れなかったのですが、平和記念公園の原爆死没者慰霊碑で手を合わせてきました。ちょうど団体観光客にガイドさんが説明していたので一緒に聞いていたところ、この慰霊碑には原爆で亡くなられた方のお名前を記した過去帳(原爆死没者名簿の事ですよね)が収められています、というようなお話をなさっていました。

訪問より1ヶ月ちかく後の今年の広島原爆の日には、この1年に亡くなった被爆者の方5,785人のお名前を記した名簿が新たに収められ、合計275,230人になったというニュースがありましたよね。今年の風通しの時点で名簿は97冊。それには身元不明の方を慰霊する為に、お名前が空白のままの1冊が含まれているそうです。

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原爆ドームから道路を挟んだところには、旧広島市民球場。


少し重い気持ちでホテルに戻りチェックアウトを済ませ、ホテルのお隣にあるひろしま美術館へと向かいました。広島銀行が創立100周年を記念して創立した私立の美術館で、ロマン派からエコール・ド・パリまでのフランス絵画がとても充実していると聞いてとても楽しみにしていたのです。私にとっては宮島と並ぶ旅のハイライト。

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ちょうどこの3連休から「ゴーゴーミッフィー展」が始まったところだったので大混雑を恐れていましたが、そうでもなかったです。私たちのお目当ては常設展ながら…いやはやミッフィー侮り難し。東京・横浜では見逃しましたがここで間に合ってよかった。むしろ、震災後に見た事で、余計に感じるものがあったように思います。

特別展手前のプロムナードには広島YMCAの小学生さんたちが描いたミッフィーがたくさん。日本をモチーフにしたものが多くて面白いな、と思っていましたら…自宅に戻ってから「ゴーゴーブログ」で真相がわかりました。震災の際に、涙を流すミッフィーのイラストと励ましのメッセージを送って下さったディック・ブルーナさんへ、「震災から立ち直って元気になった日本に、ミッフィーに来てもらおう」というお礼の気持ちで描いたのだそうです。…うるうる。

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本の装丁から始まったディック・ブルーナさんのお仕事。イラストの変遷だけでなく、作画工夫の数々など創意工夫のあれこれが詳しく解説されていて、その尽きることのない探求心に唸りました。極めつけはヴィデオ展示でのブルーナさんのペン運び。黒のポスターカラーで点を重ねて輪郭線を引いて(引くという言葉は相応しくないけれど)いくんですね。ミッフィーの表情を表す目と口だって、本当にシンプルなのに嬉しいとか悲しいとかが伝わってくる。その表情にたどり着くまでに一体どれくらい書き直すか想像もつかないと思うよ、というような事を語るブルーナさん。その色使いにマティスの影響があったとは知りませんでしたが、聞いてみれば大きく納得。目から鱗がぽろぽろ落ちる展示でした。


大いに満足したあとは、いよいよ常設展へ。常設展は展示室に私たちだけ、というような事も多くて独り占め状態でした。第1展示室はドラクロワ、クールベからマネ、モネ、ドガ、ルノワールなど。モリゾもマネと並んでいました。ドガは3点あって、そのうちの「馬上の散策」は昨年末のドガ展前期のみの展示で、私たちは見そびれていたものでした。

第2展示室はセザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンにスーラ、もちろんルソーも。ルソーの「要塞の眺め」も初めてだったかな。このお部屋ではなんと言ってもゴッホの「ドービニーの庭」の存在感が際だっています。サイズ的にも今まで見たゴッホの絵の中ではとても大きいように思いましたし、全体を見た後でもやっぱりダントツに強い印象が残りました。さすが、この美術館のシンボルと言える絵です。しばしソファーに腰掛けて(まぁ、疲れてたんですが・笑)力強い筆致と色使いを堪能。

第3展示室はフォービズムとピカソ、だったのですが、ちょうど「ピカソと広島」という小企画展中で、ピカソと広島、ひいてはこの美術館との関係をパネルで紹介しつつ、所蔵のピカソ全8作品を展示。圧巻でした。お気に入りのポーラ美術館にもピカソの息子パウロを描いた絵があるけれど、ここにも2歳のパウロを描いた絵が。他にマティスやルオーなども。去年のドガ展に出ていたドガの彫刻「右手で右足をつかむ踊り子」もこの部屋にありました。

最後の第4展示室はエコール・ド・パリ。シャガール、モディリアーニ、ローランサン、キスリング、パスキン、そしてフジタ!フジタも7点所蔵されているようなのですが、残念ながら今回見られたのは宗教画3連作「受胎告知」「三王礼拝」「十字架降下」のみ。いずれも大作で、それが3枚並んでいると、そこだけ空気が違うみたいです。宗教画は苦手かも、、という私たち夫婦ですが、フジタの和洋の手法を融合させた絵は例外なのかも。しばらくこれらの前から動けませんでした。ぜひまたフジタの「裸婦と猫」と「帽子をかぶる少女」が展示されている時に見に来なければ。


ミュージアムショップは一番の混雑でした(笑)。ミッフィー展の図録に興味があったのですが、B6版ながら588ページCDつきという超充実した重さ。旅先ではこの重さがネック…断念しちゃいました。

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