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2015/10/27

見た美術展 2015 その3

これは夏の箱根にて。覚え書きもこれで一段落。ホントにアレもコレも見逃して、私ったら。


セザンヌ 近代絵画の父になるまで」ポーラ美術館
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箱根町大涌谷周辺の噴火警戒レベルが上がってしまった為に、他館から借用していた12点が返却され、かわりにポーラ美術館の所蔵品が加えられてから…の展示を見てきました。元々予定されていた展示ならばセザンヌ濃度も高めで更によかっただろうとは思いますが、ポーラ美術館のセザンヌ9点プラス他のコレクションでこの展示が出来るのも立派。毎回思うことだけど、ホントにどれだけ持ってんねん、と。

そういえば、以前見た時は「油画用のキャンバスにパステルが定着していないから」と硝子ケースの中を見下ろすような展示だったマネの「ベンチにて」は、今回額装で壁掛けでした。

コレクション企画の「じっくり/JIKKURI 04 きいて みる」は、絵画と音。モネ「バラ色のボート」から連想される自然音をもとに、空間全体に響く「背景音」と特定のエリアにだけ聞こえる「近景音」が用意されていて、いつもと違う環境で鑑賞できます。こういうきっかけで知った体験は、その後の絵画鑑賞に意識無意識にかかわらず作用して豊かになっていきますよね。この企画、楽しくて毎回楽しみです。

8月半ばの休日、大涌谷の噴火警戒レベルにかかわらず箱根には人が多かったし、美術館の入館者も多かったのは何よりでした。猛暑の東京から出かけていったら箱根はひんやり涼しい位で天国に思えたわ。


ミュシャとラリック」箱根ラリック美術館
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いつもはポーラ美だけで帰るのですが、今回は箱根ラリック美術館にも。テレ東「美の巨人たち」で紹介されていた、ミュシャとラリックがサラ・ベルナールの舞台用に制作した冠「ユリ」をメインに据えた特別展「ミュシャとラリック」を見に。

行く前はラリックがメインだろうと思っていましたが、ミュシャの資料もたくさん。嬉しい驚きだったのは、堺市のアルフォンス・ミュシャ館から油画もいくつか来ていて、これは見事でございました。一番最後の部屋に目玉が集結していて、その部屋だけでも十分満足できる程でした。堺のミュシャ館も一度は行きたいのだけどナカナカ遠くてなぁ。。

2015/10/26

見た美術展 2015 その2

書きそびれ美術展の覚え書きその2。これは夏の弾丸編。


ムルロ工房と20世紀の巨匠たち パリが愛したリトグラフ」島根県立美術館
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夏に島根→広島弾丸旅行をした際に宍道湖畔にあるこの美術館、よーやく訪れる事ができました!予想以上に素敵な場所だったのに、展示もよすぎて夢中になってしまい、時間切れで建物と外のお庭をほとんど堪能できず残念。島根は弾丸する場所じゃなかったわ!次はゆっくり訪問するぞ、と強く決意。

ムルロ工房展は、DIC川村記念美術館(千葉)、神奈川県立近代美術館葉山、島根県美術館、北九州市立美術館分館と巡回している展示なのですが、佐倉と葉山で行きそびれたものの、どーしても見たかったので島根まで。版画を地方まで追い掛けるのはやめにしようと何度も思ったのですが、行ってよかったです。マイルがなかったら諦めてたと思うけども。

ムルロ工房と画家たちの密な関係と時代が変わるにつれて広がる表現、出品されている画家の好み度の高さなど…あちこちで見てきた展示とも音を立ててリンクしていくような感覚があって、ぼんやり見てきたものでも集積するとそれなりの財産になるのだなとも(笑)。

工房ゆかりのプレス機本体や使われた資材?なども展示されていたのですが、展示室の外の陽光溢れるロビーにて、このプレス機が現存する…金沢美術工芸大やったかな?そちらのデモンストレーション映像があって、見入ってしまいました。こういう作業映像って何よりも説得力がありますよね。以前見た伊勢型紙のビデオも今も突如頭の中で再生される事がある…

全点収録ではなかったので図録は買わなかったのですが、今もそれをちょっと後悔しております。まだ通販で入手可能ではあるのだけど。。どうしようかな。出品されていたのはほとんどが日本の美術館から。一部個人からも。版画なのでそんなに大きなサイズのものはないけれど数は多かったので見応えありました。

コレクション展も素晴らしく、いいものをお持ちです。日本画・洋画・西洋絵画・版画・工芸・写真・彫刻・小企画…とそれぞれにテーマ展示があって豊かな時間を過ごせます。西洋絵画は「コロー、クールベ、モネ…絵になる水辺」というテーマ。この美術館らしいですね。松江の街の印象とこの美術館のそれとで、ほんの一時ながら大好きな街になりました。豊かな土地だなぁ。


広島・長崎 被爆70周年 戦争と平和展」広島県立美術館
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被爆70年、戦後70年のこの夏に広島でこの展示を見た事は、思ってもみなかった程に自分の中に大きなものを残したようです。第1室は東京富士美術館のナポレオンコレクションから。ゴヤ「戦争の惨禍」、オットー・ディックス「戦争」、ケーテ・コルヴィッツへと続く版画群はこだまする悲痛な叫びのようでした。それぞれ、いろんな文脈から展示されたものを見てきたけれど、今回は…。たぶん今後もいろんな場所でいろんな文脈で見ていくだろうけど、特にケーテ・コルヴィッツは見る度にこの日の広島県美の展示室のひんやりした空気や照明の感じとこの感情とが蘇るのだろうと思います。そういう体験だった。

その後は、戦争に大きな影響を受けた画家たちの絵が並びます。忘れがちだけれど、私が好きな時代の画家たちはみな戦争に人生を左右された人たちで。富士美のコレクションからはキャパの写真も来ていました。そういえばピカソの「鳩」は、松江ではムルロ工房の作品として、広島では「第1回世界平和会議」ポスター原画として、展示されていましたっけ。こういう、光の当て方の違いは美術展を回る楽しさでもありますね。

章が進んでいくと、日本人画家による戦争絵画が並んでいました。通常非公開のものがあったり…所蔵元がよく見るところとは全く違うのが、これらの絵の置かれた立場を照らしているかのようにも思われて。

広島・長崎をテーマにした展示の部屋に移ると、途端に生々しい叫びや祈りに囲まれたよう。広島県美、長崎県美、そして広島平和記念資料館などが蒐集したものが並ぶのですからボリュームもあるし、様々な表現手法のものがありました。平山郁夫「広島生変図」を目の当たりにしたのは初めてのこと。あの熱量をあびた後では、灼熱の広島の街も違って見えるようでした。

東松照明や石内都の一連の写真シリーズは被爆の悲惨さと現実と時の流れを切りとったものではあるけれど、撮る人の敬意と優しさに救われます。宇佐美雅浩「早志百合子 広島 2014」が締めくくりとして素晴らしく。赤ちゃんを抱いて座る喪服姿の早志百合子さんを中央に、右側が喪服軍団(原爆投下時?)、左が赤ちゃんと楽園のような原色の花と原爆ドーム。

常設は「日本とアジアの工芸作品 つながる心 平和の礎」。ウズベクの経絣(ハンアトラス)の衣装がマティスが手掛けたバレエリュスの衣装っぽくて印象に残っています。


「ユトリロとヴァラドン 母と子の物語」ひろしま美術館
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東京で見そびれたもの。ヴァラドンの力強く伸び伸びした筆致が記憶に焼き付いています。彼女の迷いのない線と明快な色遣いが、私にはとても好ましかった。ちょっとフォーヴィズム的なところもありますね。描かれた女たちもたくましく目に力が宿っていたし、本人も奔放なエピソードに事欠かない人。

そんな母を愛し、自分の事を見てほしいと願い続けたユトリロ。酒におぼれたユトリロがリットル単位でワインを飲むので「リットリロ」と呼ばれていた、というのはよく知られたエピソードなのかしら?私は今回初めて知って笑いを堪えられませんでした。ユトリロの白の時代以降の絵が好きだけど、ここでは母の絵があまりに生命力に溢れているので息子は分が悪かったかもしれない。

つくづく興味深い親子であることよ。
図録は写真が数枚、画質が悪い(ピンぼけ)のがあって、それが惜しかったわ。。

お楽しみの常設は今回も至福でした。フジタが5枚出てて、前回来た時には見られなかった「裸婦と猫」と「アッシジ」が見られたのが嬉しかった。このコレクションがいつでも見られる広島の人たちが羨ましいわ。


箱根編に続く。

2015/10/25

見た美術展 2015 その1

書きそびれたままの美術展感想はこのまま書けずに終わりそうなので、さっくり覚え書きだけでも残しておこうと思います。今年は大規模展を始めとして見たいものにほとんど行けてない。かなし。


グエルチーノ展」国立西洋美術館
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この展覧会をきっかけに初めて知ったグエルチーノはイタリアン・バロックの大家ですが、いつしか忘れ去られていたのだそう。近年再評価が進んでいて、今回の展示は2012年5月の地震で被害を受けたチェント市立絵画館の復興支援の意味合いもあり、そちらから多く借りているとのこと。

大きなサイズの絵画がぐるりと囲む展示室が圧巻。天井画や教会画を下から眺めていると、エル・グレコ展でも感じた事だけれど、当時の絵画は識字率も高くなかった一般民衆にとって何よりのメディアだったことが強く感じられました。

グエルチーノはグイド・レーニを強く意識してもいたそうで、展示でも二人の作品が並んでいました。西洋美術館の常設でグイド・レーニ「ルクレティア」を見慣れているせいか(この特別展にも並んでいました)、私はグイド・レーニの方をより好ましく思ったり。


世紀末の幻想――近代フランスのリトグラフとエッチング」国立西洋美術館 版画素描室
実はグエルチーノ展はおまけで、目当ては版画素描室でした。世紀末の幻想絵画は好みど真ん中でスルーできません。ドニ、ヴュイヤール、ベルナールと好みが並んでいて、版画素描室の自動ドアが開く前から顔がにやけていたかも。

ウジューヌ・カリエールによる肖像画5点は凄い存在感。そしてそこからシュヴァーベメルソンマルタン、、と続くすさまじいまでのお好み展示。ここは楽園ですか?

あ、そうそう。コレクション展示の方で、西洋美術館に新しく委託されたフェルメール帰属「聖プラクセディス」も初めて見ました。特別展でフェルメールなんか来た日には立ち止まって見る事すらかないませんが、帰属、というのもあって独り占め可、でした。それでもいつもの西美常設よりはかなり人が多かったかもしれません。海外の人がけっこういたなー。


新印象派 光と色のドラマ」東京都美術館
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以前見た点描展がものすごーく好みだったので、期待して出かけました。でも、うーん、、至福な体験までは出来ず。期待しすぎたかな。印象派から新印象派が生まれてフォーヴィスムまでの流れという展示で、新印象派の密度を濃くしたもの。おそらくメインはスーラ「グランド・ジャット島の日曜日の午後」の素描がたくさん並んでいたところだと思うんだけど、これだけ準備段階を見たらやっぱり「グランド・ジャット島の日曜日の午後」そのものも見たいよねー(笑)。

好きな絵はいくつもあったけど、期待したテーマじゃなかったって事なんだろうと思う。あとできれば点描は空いている展示室で前行ったり後ろから見たりしたいよね。空いている時間帯を選んで行ったつもりだったけどそこそこ混んでたので、その辺も気分が乗らなかった理由なのかも。


次の投稿は夏に見たものを…。

2015/03/24

「幻想の系譜 ゴヤからクリンガーまで」神奈川県立近代美術館鎌倉別館

神奈川県立近代美術館鎌倉別館で開催していた「幻想の系譜 ゴヤからクリンガーまで」を見てきました。2年くらい前だったか富山で見た「ロマンの系譜」もゴヤから始まる系譜だったせいか、ずっと同じタイトルだと思い込んでいました。巡回展じゃないのは理解していたのですが…引っ張り出してきた富山の図録を見て「違うじゃーん!」と自分に驚いたよ。どちらも同じ本流を持つ川の流れではあるけれど、いやはや。

春休みに入ったせいか普段もこんなものなのか分かりませんが、鎌倉は平日でも相当賑わっておりました。私自身は20年以上ぶりの鎌倉訪問。
うちからはしみじみ遠い鎌倉よ(五七五・笑)。

鶴岡八幡宮にお参りして、まずは本館の神奈川県立近代美術館鎌倉で「湘南の画家たち」を。小倉遊亀「牡丹」と片岡球子「面構 等持院殿」が印象に残っています。来年の閉館前に来られて良かった。坂倉準三設計の建物はモダンで最近の美術館の建物とは違った趣きですね。おそらく展示には制限がいろいろあるのだろうと思いますが、耐震の問題はクリアできそうだというし、諸問題を乗り越えてせめて建物は保存できるとよいですね。


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2015/03/02

「ベスト・オブ・ザ・ベスト」ブリヂストン美術館

今年5月18日からビルの建て替えに伴う新築工事のため長期休館が予定されているブリヂストン美術館で、「ベスト・オブ・ザ・ベスト」を見てきました。コレクション展とはいえ、そこはブリヂストン美術館の所蔵品ですから。

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構成は以下の通り。
Chapter I 西洋近代美術
Chapter II 日本近代洋画
Chapter III 戦後美術


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2015/03/01

横浜美術館コレクション展2014年度第2期

ホイッスラー展と同時開催の横浜美術館コレクション展2014年度第2期についても少しだけ。

構成は以下の通り。
1. 抽象画 - 戦後から現代
2. 光と影 - 都市との対話
2-1. 風景になる都市、その光と影
2-2. 西洋の作家の作品に見る光の表現
2-3. 満ちる光、光と影
2-4. 写真展示室 光と闇 - 現代の都市風景
イサム・ノグチと近代彫刻


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2015/02/28

「ホイッスラー展」横浜美術館

少し前ですが、横浜美術館で明日まで開催中の「ホイッスラー展」に行ってきました。ずっと開催を心待ちにしていたのに、なかなか行けなくて焦りましたー。会期終了まで3週間ほどの頃だったので、平日昼間でも思ったより人は多かったかな。もちろん、それでも空いている絵を選んでいけば快適鑑賞できる位でしたけど。

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構成は以下の通り。
第1章: 人物画
第2章: 風景画
第3章: ジャポニスム


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2015/02/27

「紙片の宇宙 シャガール、マティス、ミロ、ダリの挿絵本」ポーラ美術館

先日、雀さんと箱根のポーラ美術館に行ってきました。現在開催中の「紙片の宇宙 シャガール、マティス、ミロ、ダリの挿絵本」がどうしても見たくて、会期末までに行きましょうねって話していたのですが、この日の予定が空いた雀さんにお誘いを受けたのでした。

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構成は以下の通り。
序章: 愛書家D氏の書斎へようこそ
第1章: ドガとトゥールーズ=ロートレック「本を編む」
第2章: パスキン、フジタ、ローランサン「挿絵を描く」
第3章: シャガール「物語を彩る」
第4章: ルオー「光を与える」
第5章: ピカソ、ドラン、マイヨール「古典を旅する」
第6章: マティス、レジェ、ブラック「空間をひらく」
第7章: ミロ「宇宙を紡ぐ」
第8章: ダリ「世界を創る」

それぞれの画家たちの本と他の作品で構成された展示です。本、つまり印刷物ですからポーラ美術館を含めたあちこちで見たものもありますが、展示テーマが違うから見方も変わってきて面白いです。


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